放浪の天才数学者エルデシュ

  • 草思社 (2000年3月1日発売)
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エルデシュは1913年にハンガリーで生まれた数学者だが、ユダヤ人であったために国を出ることになったのだが、本書のタイトルの放浪というのは、そのためではなく、彼自身の生き方に由来するものだ。(ちなみに原題は"The Man Who Loved Only Numbers"で放浪という意味は含まれていない。)数学を愛して、数学の問題について他の数学者と検討することを愛して世界中を飛び回っていた彼の生活から来ている。1996年に83歳で死ぬまでの生涯を扱うこの本は、20世紀の欧米の歴史であり、数学史である。そのため、多くの数学の問題と数学者の名前と業績が書いてあって、読んでいると混乱してくる。数学者の自殺率が高いような気がして、数学って危険な学問だともおもった。エルデシュ自身は、長生きして、数学を楽しみ続け、ユーモラスな逸話もたくさんあって、多くの数学者に愛されて、幸せに生きたことがわかる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年4月4日
読了日 : 2020年4月4日
本棚登録日 : 2020年4月4日

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