ことばの発達の謎を解く (ちくまプリマー新書)

著者 :
  • 筑摩書房 (2013年1月10日発売)
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感想 : 17
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外国語学習において、こどもが言語を学ぶ過程と対比されることがよくある。「こどもは話せないうちから大量の音声を聞き、浴びた言葉を自分で分析することで話せるようになる。だから大人になっても聞き流しは有効」とか、「英語圏のこどもは文法を学ばないうちから英語を話せている。だから文法学習は不要」とか。では、こどもの言語学習とはどのような過程なのだろうかと疑問に思い本書を手に取った。
すると、まさしく本書の第5章で、大人の外国語学習とこどもの母語学習の相違点を述べている。こどもが母語を学ぶときは、言葉だけでなくその言語のシステムも学習することで、母語を体系的に理解していく。ところが一旦母語を習得してしまうと、母語のシステムが身についているせいで、外国語のシステム理解の邪魔をしてしまうとのこと。外国語を学ぶ際には、日本語のシステムと外国語のシステムの差異に注目しながら学習を進めるのが良いのではないかと思った。

外国語学習への応用に限らず、こどもが名詞・動詞・形容詞を学ぶ際の思考など、読んでいて面白い箇所も多かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: サイエンス
感想投稿日 : 2023年10月28日
読了日 : 2023年10月28日
本棚登録日 : 2023年10月10日

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