「人を動かす対話術」というタイトルは、一見するところ世間に溢れる自己啓発本やテクニック本と勘違いされやすいと思うが、この本はそういった類の本とは別物と言えるでしょう。
あとがきには、「単なる技術だけでなく、そこで大切にされている考え方や、通底している精神を意識すること。すぐれた対話技法というものに共通するのは人を大切にする心であり、その人に元来眠っている力を引き出そうとする姿勢のように思える。」といったことが書かれている。
それを踏まえて改めて本書を振り返ってみても、たしかに相手を動かしてやろうなどというものは無い。相手の力を引き出すこと、相手の主体性を重んじること、相手の気持ちを同じように分かることは出来ないが、できるかぎり相手に寄り添おうとすることなどが常に前提となっているように見えた。
著者の、クライエントへの暖かい眼差しと、読み手への配慮がよく伝わってくる1冊です。
また、そういった技法のみを重視した本でないが故に、一度読んだだけでは本書の内容を身につけるのは困難だと思います。新たな視点を取り入れちょっとずつ自分のものにしていこうと思いました。
内容としては、
・共感的アプローチ
・解決志向アプローチ
・動機づけ面接法
・認知へのアプローチ
・認証戦略
・愛着へのアプローチ
・行動・環境へのアプローチ
などです。幅広く、かなり要点を絞ってあります。
相手を大切にした対話術に興味のある方には読んでみるのをオススメします!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
面接法
- 感想投稿日 : 2012年1月30日
- 読了日 : 2012年1月30日
- 本棚登録日 : 2012年1月27日
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