アガサ・クリスティの1944年の作品。
STAR DRIVERに出てくる「ゼロ時間」はこれを踏まえてではないかと気になったという、比較的安易な動機で手に取りました。
導入部分は色々な人物の事件前のエピソードが描かれており、
追っていくのに若干集中力を要しますが、舞台が
事件の現場となるガルズポイントに移ってからは
事件がなかなか起こらないにもかかわらず、
非常に引きこまれる流れになっているのは流石です。
トリックよりも人間の心理が事件の重要なポイントであり、
それに対応して、事件が起こるまでの各人の描写が充実しているというのは、実に無駄の無い、美しい構成ではないでしょうか。
結末は、自分が英国式ハッピーエンドと呼ぶものに
分類して良さそうなもので、どちらかと言えば蛇足な気はするものの、
綺麗にまとまっていると感じました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリ
- 感想投稿日 : 2011年2月7日
- 読了日 : 2011年2月5日
- 本棚登録日 : 2011年2月3日
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