一冊でまるごとわかるギリシア神話 (だいわ文庫)

著者 :
  • 大和書房 (2013年8月10日発売)
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本棚登録 : 814
感想 : 35
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名前がかっこいいからって理由でミルトンの『失楽園』を読もうとして、挫折した経験、あるんじゃないでしょうか。他にも有名な西洋の詩人たちの詩(ボードレールとかね)を読もうと張り切って、撃沈したことも数知れず。「こんなん誰が読めるねん」と投げ出す前に、是非とも『ギリシア神話』を頭に入れておきたいところ。そうすれば、今まで暗記するだけだった世界史の用語や作品の感動に触れることができます。また、『ギリシア神話』は文学に拘らず、西洋絵画、現在では様々なキャラクターのモデルになっていますし、閑事だと割り切る前に、この本で「ざっくりと」知識を入れる、或いは整理するのがいいと思います。

そこで本書の内容ですが、砕けて分かりやすい文体で、関連する絵画作品も載っていたのでお勧めです。自分も、今までバラバラだったギリシア神話の知識がつながった部分も多々あり、面白くてすぐに読み終えました。『ギリシア神話』の解説書は他にも多くありますが、今のところ一番これがしっくりくる感じはします。

ですが、あくまで「ざっくり本筋をなぞる」だけなので、触れられていないエピソードもあった記憶。特に八章の「トロヤ戦争」は内容がきつきつで、いきなり読むと面食らうかもしれません。でも、ほんとに一冊でまとめられていたので、素晴らしい本だと思います。とても有益な時間を過ごせました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年11月20日
読了日 : 2021年11月20日
本棚登録日 : 2021年11月20日

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