noteで購入して読んではいたが、追加取材による加筆部分もあり、パラパラとめくってみて読みたいと思ったので改めて購入。
内容は…背筋が凍ります。事件そのものというより、閉鎖的な集落の〈うわさ話〉に。それがものすごく気持ち悪い。
都会の人にはピンとこないかもしれないが、田舎のうわさ話の広がる早さったら想像以上だ。ネットより早いかもしれない。百歩譲って真実ならいいが、そうじゃないことの方が多いから始末が悪い。皆が皆、味方であり敵。目立ったことをすればすぐヤられる。よそ者や成功者は恰好のマト。だから「上手いこと」やらないといけないのだ。妄想性障害を発症していたワタルには、その辺のやりくりが困難だっただろうと推測する。
読んでいて諸星大二郎の『黒石島殺人事件』というマンガを思い出してしまった。村人たちの共同幻想や、殺人事件だというのにどこか他人事で曖昧な感想しか口にしない点など。刃物で人を刺しても、酔った席でのことじゃけんで済ませちゃうような?
小さい子供さんがいたのに遠くまで足を運び渾身のルポを完成させた著者に敬意を表します。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2019年12月13日
- 読了日 : 2019年12月13日
- 本棚登録日 : 2019年12月7日
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