プリズン・ドクター (新潮新書)

  • 新潮社 (2022年11月17日発売)
3.74
  • (10)
  • (29)
  • (20)
  • (0)
  • (2)
本棚登録 : 225
感想 : 21
4

刑務所等にいる受刑者も人間であり怪我や病気はするもの。その被収容者の診察に当たる医師は、法務省矯正局の医師となる。
悪い事した人をなぜ国の税金で助けるのか。と安直に考えていると、本書にて早々にその説明がある。
刑務所は罪人を閉じ込めて懲らしめる場所ではない。犯した罪に対して懲役という労働をさせ、社会復帰をさせる矯正施設だということ。被収容者が健康で元気に労働するために医療施設があり医師がいるのだということ。なるほど、ハッとする。
とはいえ、ぶっちゃけ待遇も環境も良い訳では無いようで
なり手は少なく、かと言って志高い医師達が任にあたっているかというとそうでもないらしい。
知られざる刑務所の中の出来事を、軽妙に、時には制度を含めた社会的課題についても鋭く切れ込む内容。
そして終章では明るい話題で締める内容。巧い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 医療系
感想投稿日 : 2023年1月9日
読了日 : 2023年1月9日
本棚登録日 : 2023年1月9日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする