再読。一般の聴衆相手の講演をまとめたイスラム文化を理解するにおいて最良の入門書。イスラム文化は砂漠の文化として簡単に類型化できるものでなくヘレニズム的異文化の網の目の中で生まれた国際的文化を起源とし、コーランもまた商業専門語の表現に満ちている。神との関係はキリスト的父子関係を否定し主従関係的であるが、そもそもイスラムという言葉自体が「絶対帰依」の意味を持つが為。因果律を認めず、時間に対する非連続的存在感は興味深い。封印された聖典解釈の扉を開くことで、イスラムのルネサンスは果たされるとの指摘は現実となるか。
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カテゴリ:
評論/研究
- 感想投稿日 : 2013年5月23日
- 読了日 : 2013年5月23日
- 本棚登録日 : 2011年12月24日
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