誰のどんな話でも、しっかり聴くことができる。そんな大学生・柏木が「聴き屋」として、大学周辺で起こるさまざまなやっかいごとを解き明かしていく。
この「聴き屋」というのが(ミステリ作品のなかでは)大変便利な体質で、困りごとを抱えた人が自動的に彼の元に集まって、さまざまな情報を提供してくれる。なんかずるい。それはそれとして、大学の学園祭やサークル活動の描写がいい感じ。舞台が「芸術学部」ということで、超個性的な友人や、芸術系大学独特の雑然としたキャンパス内の空気がよく描かれているような気がする。主人公が探偵ではないので、事件に完全に決着がつくわけではないのでちょっともやもやした読後感ですが、それもいいかな。
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- 感想投稿日 : 2013年5月28日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2013年5月28日
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