鳳凰編
仏師茜丸と、盗賊我王の二人が対比される形で描かれる。
茜丸は、右腕が使えなくなったことで逆に精神性を取り戻すが、のちに芸術性にとらわれて心をなくす。
我王は、人を信じず残虐な男だったが、速魚や良弁上人に触れて少しずつ変わる。
単純な対比ではなく、二人それぞれに揺れ動き、迷い、考える、その部分の深みがものすごいと思った。
仏教の輪廻思想がかなり色濃く押し出されており、誰も救わない奈良時代の政治と結びついた仏教への皮肉もある。
なんとも複雑で、単純には言いつくせない深い作品だ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
マンガ
- 感想投稿日 : 2013年6月8日
- 読了日 : 2013年6月7日
- 本棚登録日 : 2013年6月8日
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