Miss Rumphius (Picture Puffins)

著者 :
  • Puffin Books
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780140505399

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  • アリスは長じて「ルピナスさん」と呼ばれるようになる。あるいは、「頭のへんなおばあさん」。

    海のそばに住むアリスの祖父は、アメリカに移民としてやってきたアーティスト。船の舳先につける彫刻なども作っている。彼はときどき、「はるか遠くの国」に行った話をしてくれる。

    彼女はそんな祖父の物語に憧れて、自分もいつか遠い国へ行き、海のそばに住みたいと祖父に言う。
    すると、
    「もうひとつしなきゃいけないことがある」
    と祖父が言う。
    「世界を美しくすることさ」

    アリスは宣言したとおり、いろんな国へ旅し、海のそばの家に住む。
    が、もうひとつしなければならなかったことを思い出す。世界を美しくすること。

    そこで彼女がしたこと。それが、ルピナスさんと呼ばれるようになったゆえん。ちょっと狂気じみた行いに見えるかもしれない、そして動機が単純すぎるかもしれない。
    (たぶん今の日本でやったら役所がすぐに行政指導にでも来そうな話。)

    でも、私などはだからこそ感じ入るものがあった。これが、だれもが感心するような行為だったら、あるいはだれもが美と認めるものだったら白けるだろう。
    そうでないからこそ、本書は個人宛の手紙のようにこころに届くのだろう。

    ルピナスの花言葉は「想像力」、そして「貪欲」。
    なるほど、アリスの性格そのままだ。

    ちなみにアリスの苗字はRumphius。これは18世紀のオランダ人植物学者Georg Rumphiusと響きあっているのかな。

  • when I grow up. I too will go to faraway places, and when I grow old, i too will live beside the sea .But there is a third thing you must do.
    波止場のそばで、船の舳先につける飾りをつくる仕事をしていたおじいさんは、ある夕暮れ、アリスを膝の上にのせてはなすのだった。「いつか大きくなったら、遠くへいこうとあこがれていたし、年をとったら、海辺に住もうと考えていた」「でも、しなくては、と思っていたこともある」それは、何か世の中を今より美しくすることをすることだ。アリスは成長し、おじいさんはなくなり、別の街の図書館で働き始めるが、……。おじいさん、おおおばさんとその姪っ子と、三世代に引き継がれていく、何か今より世界を美しくすることを見つけて実行すること。
    奥行きの感じられる語りで、美しいトーンの絵本だがそこはかとないユーモアがあり、自然だか忘れがちなことを思い出させてくれるようななつかしさもただよう本だ。

  • 少女はいろんな事がしたかった。世界中を旅行しよう、海が見える場所に住もう。そんな少女におじいさんがもう一つだけ夢を追加します。「世界を美しくしてごらん」

    動画紹介でもチラッと出てきたルピナスさんをブックトーク。少女はいろんな事がしたかった。世界中を旅行しよう、海が見える場所に住もう。そんな少女におじいさんがもう一つだけ夢を追加します。「世界を美しくしてごらん」ルピナスさんが変人と言われながらも、道々でルピナスの種をまいていき、殺風景だった町が春色に染まるのが本当にきれい。そして自分がおじいちゃんに教わった事を、甥っ子に伝えていく姿も素敵なのです。甥っ子君はどんな方法で世界を美しくしようと思うんだろうな。なんて思ってしまいます。

  • She travelled many places like that her grand father had said.
    When she made her dream come true,I felt very proud of her.

  • 1200wd

    イラストに描かれた人のファッションや、インテリアが素敵!こんな優雅な淑女スタイルで冒険に行くのか…。

    私の素敵なアリスおばさんは、小さい頃におじいさんに言ったの。「私、大きくなったら、海辺から離れて世界中を旅するわ。それから、海辺へ帰ってくるの」。おじいさんは賛成してくれたわ。でも、一個だけ付け足したの。「お前は、世界に何かひとつ、美しいものを贈らないといけないよ」。

    大きくなったアリスおばさんは、海辺から離れた町に住んで、それだけじゃ物足りなくって、世界中を旅したわ。おばさんは世界中に友だちがいるのよ。ある日らくだに乗ったら背中を痛めちゃって、それで頃合いだと思ったので、海辺へ帰ってきたの。

    海辺へ帰ったおばさんは考えたわ。わたしはおじいさんとの三つの約束のうち、二つをかなえることができた。三つ目は、どうやって実現したらいいのかしら?世界はもう充分に美しくて素敵じゃない?

    三つ目の約束の叶えかた、おばさんはどうやって見つけたと思う?

  • 歳を重ねて“ルピナスさん”と呼ばれるようになった女性の半生が、バーバラ・クーニーの落ち着いた筆致によって、静かな美しさをたたえて描かれていきます。邦訳「ルピナスさん」

  • YL:2.5〜3.5
    語数:1200

  • YL2.5-3.5 1200語  特撰(多読ブックガイド1版)
    「ルピナスさん、小さなおばあさんのはなし」米国図書賞(The American Book Awards) 児童文学部門 受賞作品  「少女アリスが人々の心に温かな種をまく自慢の祖母ルピナスさんの生涯について語ります。ルピナスさんの心で育ち続けたおじいさんとの3つの約束。個々が持つ大切な花(個性)を咲かせるために次の世代に種をまくルピナスさんの素敵なお話しです」 

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