A History of the World in 100 Objects

著者 :
  • Penguin UK
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780241951774

感想・レビュー・書評

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  • ぽつぽつ読んでいるものの、洋書の常として、いっこうに終わりが見えないので、感想というより覚え書き。

    大英博物館の収蔵品800万点の中から、大英博物館館長、ニール・マクレガー博士が厳選したアイテム100点で人類の歴史を紹介する、大胆というか無茶振りな企画。『100のモノが語る世界の歴史』という邦訳が筑摩選書から刊行されており、そちらを買おうかとも思ったが、装丁と邦題のセンスのなさに落胆し、無理やりペーパーバックを買ってみた。ティファニーブルーっぽい装丁が歴史本とは思わせないほど素敵。

    もとはBBCのラジオ番組用の企画だったとのことで、専門的なアイテムをそれぞれ、飽きない分量とスピーチレベルの文章(だと思う)で紹介している点が上手いと感じる。でも最終的には結構なボリューム(笑)。5つのアイテムごとに時代が区切られており、先史時代から現代まで、古今東西の文物が紹介されている。さすが大英博物館、選び放題だからねっ!と思わせるセレクトではあるけれど、きらびやかさは少なくて、大きな人類の流れを示しつつ、世界各地の文化の多様さを示すことも重視している姿勢がうかがえるような。それは本編に入る前の2章に表れているように思う。この企画を“Mission Impossible”とユーモアたっぷりに呼び、過去の文物の持つ物語性や来歴、それらから得られるものの限界が穏やかに、品ある英語でつづられている(ように思う)。この本を手にする多くの人は、最初のアイテムから通読するよりも、興味があるアイテムを拾い読みすることになると思うけれど、本編前のこの2編は肝だと思うので、面倒くささをこらえて読んだほうがいいと思う。

    こういう巨大な博物館を「収奪の結果」と評する向きもあるし、当たらずとも遠からずという面は確かにある。まあでも、それは常に人間の好奇心と欲に彩られた裏テーマであるから、博物館に集う人たちは誰しもそこを認識しながら、世界を見るきっかけにしているんだろうと思っている。

    実はハードカバーよりも図版が削られていると聞くので、予算や収納スペースに余裕のある場合には、そちらを選ばれてもよいかと。

  • 関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40239159

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