白血病の姉を持つアナは、彼女のドナーとしてこの世に生を受けた。2人は仲の良い姉妹だが、ある日、アナは腎臓移植を拒否して裁判を起こす。訴えたのは両親。移植をしなければ姉ケイトは死んでしまうのに。
この本のすごいところは、登場人物によって文字のフォントが変わること。そしてアナ、両親であるサラ、ブライアン、兄ジェシー、弁護士キャンベルなどなど、それぞれの視点で話をつないでいること。あきさせず続きが気になることといったらない。
しかも最初は、アナの不都合、権利に焦点が当たり、母サラの固執にも力点が置かれていたが、だんだんと兄の非行や父の反動など、それぞれの問題、やるせなさが浮かび上がってくる。そして弁護士と社会福祉士ジュリアのサイドストーリーも面白い。
こんなに早く続きが読みたいと思った洋書は、たぶんダビンチコードに続いて久しぶり。映画を見ており、映画もよかったが、違った意味でよくできていた。そして最後のどんでん返し。人生とは、と考えさせられた。