Vanity Fair: An Authoritative Text Backgrounds and Contents Criticism (Norton Critical Editions)

制作 : Peter L.Shillingsburg 
  • W W Norton & Co Inc
5.00
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 2
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・洋書 (896ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780393965957

作品紹介・あらすじ

"Backgrounds and Contexts" is arranged under three headings. "Composition and Publication History" combines modern scholarship with contemporary materials to elucidate the novel's composition and publication history and present different aspects of Thackeray's life and work. "Reception" reprints ten contemporary reviews, both published and unpublished, that suggest the tone of Vanity Fair's initial reception. "Contexts" includes materials relating to governesses, historical novels, the Battle of Waterloo and the military, bankruptcy, regency fashions, and the London landscape, all of which figure prominently in the novel. "Criticism" is a collection of nine essays written between 1900 and 1990 that reveal the developing response to Vanity Fair. William C. Brownell, David Cecil, G. Armour Craig, John Loofbourow, Peter K. Garrett, Richard Barickman, Susan MacDonald, Myra Stark, Ina Ferris, Catherine Peters, and James Phelan provide varied perspectives. A Chronology and Selected Bibliography are also included.

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この小説のエキサイティングについに気付きました。

    よろしければ、文学に興味がない人も読んでもらえたらうれしいです。

    大作。名作。そういった呼び名の意味を理解できます。
    いろいろな切り口から作品を語れます。

    ゼミの発表で扱う本作品を、Vanity Fair=(虚栄の市)において登場人物が感じる【孤独】を登場人物が何に孤独のはけ口を見出す(=いかに自分の存在価値を見出すか)かということに注目して読んだ。

    Ameliaは孤独であった。孤独を満たすために、愛もないと分かっているところに、愛があると妄信し、愛してくれていないと分かっている死んだ夫を、自分を偽り、信じているふりをし、愛し続ける。

    そうすることで、孤独な気持ちを満たし存在意義を見出していた。途中で、Ameliaのことを本当に愛してくれているDobbinという人がいて、本来受け入れるべきと分かっていても、妄信する愛がそれを拒む。

    この「本物」を受け入れることの出来ない、排他性や「愛する」という体裁にこだわる姿勢に彼女のvanity(虚栄)を読み取る。


    Rebecca

    Rebeccaも孤児で、友達と呼べるような人もいず、小さい頃から一人でこの世界を生きていくと宣言し、強く生きていく。裏切り、騙しなどを通じて、地位を勝ち取って社交界の花形となる。
    しかし、時に「そんなことに何の意味があるのだろう」と感じることとなる。
    そして、時に彼女に本気で愛を注ぐ人を見つけたりもする。
    しかし、彼女もやはり「本物」を受け入れることができなかった。
    ここにも、排他性を認めざるを得ず、自分の生きがいは地位であると思い込み体裁にこだわる姿勢に、vanityを読み取る。

    これらに2人は孤独のはけ口を見出していた。
    即ち、偽者にはけ口を見出していた。本人も偽者と分かっているという点で偽者と言い切ることが出来る(これが、そうでなければ私の価値観の押し付けになる。なぜならその人にとって本物なら、それは本物だから)。


    □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
    現代社会に思いを馳せる。
    千代田区という東京の中心。すなわち、虚栄の市と言える場所だ。

    私も孤独であり、おそらく誰もが孤独なのだと思う。
    孤独だからこそ、経済活動をしたり、恋をしたりしたり、人によっては時に風俗に行くなどして、孤独のはけ口を見出しているのだろう。

    孤独のはけ口は十人十色。

    現代社会にも虚栄の市のように、はけ口を風刺する作品はあると思う。例えば、BUMP OF CHICKENの“Merry Christmas”の一節
    『嘘つきが抱きしめた大切な人 町はまるでおもちゃ箱あなたも僕も誰だろうと飲み込んでキラキラ光』

    そうは言っても、うらやましいですよね。町を歩いていると冬は特に寂しくなります。
    ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

    孤独のはけ口は十人十色。
    私は、アミーリアやレベッカとは違い、「本物」にはけ口を見出したい。また、アミーリアやレベッカに「本物」を提供できる人物になれたらいいなとも思う。
    お互いが孤独を分かち合うことができれば、それは幸せなことであろう。

    東京という虚栄の市がなければ出会うことが出来ない人はたくさんいる。更に、虚栄の市があるからこそ、一段と輝く本物が現れるのかもしれない。

全2件中 1 - 2件を表示

William MakepeaceThackerayの作品

最近本棚に登録した人

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×