The Pleasure of Finding Things Out: The Best Short Works of Richard P. Feynman (Helix Books)

著者 : Richard P.Feynman

• Basic Books (2005年4月6日発売)

感想・レビュー・書評

[yukoさんの感想 · 2021年7月30日]

ご冗談でしょうファインマンさんの方が面白エピソードが集められているので面白かった。こちらはいくつかの講演を文字に起こしたもの。20代の時、初めてセミナーでプレゼンすることになったら、指導教官がvon Neumann教授、アインシュタイン博士など錚々たるメンバーを集めてしまい激しく緊張したが、ひとたび話だすと緊張もすっかり忘れ落ち着いて話す事ができたエピソードに感心した。科学に対するあるべき態度やマンハッタンプロジェクトに関わった話なども面白かった。

マンハッタン計画に加わった時、ナチスドイツに先を越されてはマズイという気持ちで参加した。トリニティ実験で初めて爆発が成功した時に科学者達は大喜びでお祝いムードだったという。皆、仕事の成功に喜んでいたが、そもそも核爆弾は何の為に作られようとしているのかという目的を忘れていた。ドイツが降伏した時に、当初の目的は達成されたとしてこのプロジェクトを続けるかどうか再検討しても良かったのに、という話が興味深かった。