The Story of My Life (Bantam Classic)

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  • Bantam Classics
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780553213874

感想・レビュー・書評

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  • 私が読んだのはDover Thrift Editionsの http://www.amazon.co.jp/dp/0486292495/maggiems-22 なんだけど…検索しても出てこないし、このBantam Classicの表紙が素敵なので、これで登録します^^

  • おそらく中学生くらいの時に読んだきりで随分と赤茶けてしまった「わたしの生涯」角川文庫をパラパラと開いてみると、「濁流を乗り切って」と「闇に光を」の二著が合わせて編纂されていました。その「闇に光を」を読み進めると、彼女と交友のあった有名人が「わたしの生涯」と同様に続々と登場してくるのを痛快に感じます。
    たとえば、アレクサンダー・グラハム・ベル博士、エドセル・フォード氏、ダグラス・フェアバンクス氏、モーリス・メーテルリンク氏、マーク・トウェイン氏、アンドリュー・カーネギー氏、トマス・エジソン氏、チャールズ・チャップリン氏などなど。彼ら自身の自叙伝もユニークな人柄に魅せられきますが、ヘレン・ケラーさんの生身の友人として語られる姿は、率直で、生き生きとしてたいへんに楽しいものでした。そしてその随筆の終わりには、最も偉大なサリバン先生へ思いが綴られています。20歳でヘレンさんの家庭教師となり、忍耐強い教育で、三重苦の少女の心を開眼させたことは、奇跡的と言われる有名なエピソードですが、その後ヘレンさんが17歳から24歳の間、不屈に燃え続ける教え子の向学心に応え、点字のない宿題の本を深夜まで読み綴り、ニュースや興味のある書物を点字に打ち、サリバン先生は毎日ぐったりとなるまでヘレンさんに尽くし続けます。その元で、ヘレンさんは現ハーバード大学の入学を果たし、哲学を学んで卒業します。「闇に光を」は、ヘレンさんが49歳のときの著述ですが、言葉に言い表せないほど尽くしてくださったとサリバン先生のことをこう語っています。「先生は不幸な幼少時代を送られたかたで、ごく小さい時から生活の問題を自分で考えてゆかなければ、生きてゆけないかたでありました。−略−先生はご自分の幼少のおりの生活の中に歓喜がなかったので、私の魂の空虚をよく理解してくださいました。私は先生から教わって、それがうまくできなかったことが少なくなかったのを思い出すたびごとに、先生は私のどこがよくてこんなにまで長年の間、そばを離れないでいてくださったのだろうかと考えずにはいられません。先生はご自分の生活を求め、普通の婦人よりも幸福になれる機会を十分にもっておられたのでありました。−略−しかし先生はこれらの扉を堅く閉じて、ひたすら私のそばにいてくださったのであります。先生はご自分の生活を私の生活の中に包み込んでしまった沈黙をお喜びになり、教師としての一生が先生の一生であり、そうして後に残される仕事がご自分の自叙伝そのものだと言っておられました。−略−ほんとうに私の才能は先生の力強い友情によって啓発せられていったのであります。−略−かくて太陽の光が大地にあふれるように幸福が私の全存在に満ちあふれ、私は両手を差し伸べて人生を追求したのであります。」
    「わたしの生涯」の6章には、まだ手に触れないものの概念の実在について明確に掴んでいなかったヘレンさんにサリバン先生が愛とは何かを説明した言葉があります。
    Love is something like the clouds that were in the sky
    before the sun came out.
    --You cannot touch the clouds, you know;
    but you feel the rain and know how glad the flowers
    and the thirsty earth are to have if after a hot day.
    You cannot touch love either;
    but you feel the sweetness that it pours into everything.
    Without love you would not be happy or want to play.
    ヘレンさんは、この言葉に自分の魂と他の人との魂の間には眼に見えぬ糸が結ばれていることを感じましたと書いています。
    私は、サリバン先生の生き方とこの言葉を通して、慈雨の源には眼に見えない慈しみの雲(心)が在り、どのような立場であってもそうした幸せは崩れないものなのだと、教えてもらっているような気がしました。

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