A Brief History of Equality

  • Belknap Press: An Imprint of Harvard University Press
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780674273559

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  • 「21世紀の資本」で知られる経済学者が、過去数百年の歴史を通じて今日の世界が間違いなく格段に平等になっている一方、今も構造的な格差が根強く残る状況を分析し、その処方箋を提案する経済書。

    著者は、1900年代前半頃から進展した格差縮小の背景には、社会階層間や国家間の衝突による革命や紛争を通じて導入・浸透した社会福祉国家の概念や累進課税制度、さらには植民地の解放による富の再分配の動きがあった一方、1980年代以降に進んだ資本移動の自由化が、多国籍企業や富裕層への富の集中を産んだ結果、格差が再び拡大するとともに、資源の枯渇や環境問題の悪化が加速する状況になっていると指摘する。

    このような「新植民地主義」とも言える状況を改善し、社会階層間や国家間の富と力の固定化を回避するため、著者は累進的な富裕税を財源とした社会福祉の充実を提言するとともに、その実現に向けては、現在の”行き過ぎた資本主義”を脱却し、市民参加型の民主社会主義や世界規模での連邦主義に移行すべきと説く。ネオリベラリズム的価値観とは真逆に位置する”他方の極論”として、一読の価値ある一冊。

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/568013

  • 331.85A/P64b//K:東2法経図・6F開架

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