- Amazon.co.jp ・洋書 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9780679723165
感想・レビュー・書評
-
(#4) 書き出しにほれたのです…覚えてしまいました。
"Lolita, light of my life, fire of my loins, my sin, my soul."
作者はこの本を「私と『英語』という言語とのラブストーリー」という風に表現しているけど、まさにその通り、あまりの文章の美しさに各文を3回ずつくらい読んでてなかなか読み進まなかった。さすがBoard's List #4です。秀逸な言葉遊びや情景描写がふんだんに編み込まれた、奇妙で悲しくて危険で濃密な物語。この本を読んで「あー狂人ってこう考えるんだなるほど」で終わってしまう読者が多いのではないかと思うと、勝手に残念に思う。これは実に人間らしい人間の、ありきたりな物語なのではないかと思う。忘れられない大好きな本に出会えてよかったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
好きな小説というのは、本を読む人なら誰だって一つや二つあるものだ。しかし、あまりに好きで読了できないなんて本はあるだろうか? 私にとって、この本はまさにそういう唯一の本だ。ナボーコフが長篇としては初めて本格的に英語で書いたこの作品は、彼が「自分と英語との恋愛小説」と呼んでいるとおり、華やかな韻文や隠喩の多用といった言葉遊びが万遍なく散りばめられており、その文章の(物語の、ではない)艶やかさに耽溺して得られる恍惚感は他に類を見ない。お蔭でいつも 2 ページごとぐらいに悶絶し、もう何年も読んでいるのに一向に読み終わらない。話の内容? そんなのはどうだっていい。ただただ、文章に惚れ惚れすればよい。せっかくだから、註のついたこれを。普通のより安くてお得。