Gift from the Sea: 50th-Anniversary Edition
- Pantheon (1991年1月30日発売)
- Amazon.co.jp ・洋書 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9780679732419
感想・レビュー・書評
-
大学時代に一般教養課程の英語の授業で教科書として使っていました。
帰省時に実家で見つけ、ぼろぼろだったので廃棄しようとしたのですが、その前に再読。
再読、と書きましたが、実は内容については、まったく、なにひとつ、これっぽっちも覚えておらず、授業中、先生の解説をときどき本の余白にメモっている場面がうっすら記憶にある程度。その先生が男だったのか女だったのかすら覚えていない状態です。
実際に使っていたのは、金星堂(KINSEIDO)という教科書をつくる会社が出版したもので、この登録した写真の本とは違います。でも、この表紙と同じ貝のイラストが挿絵として使われていました。
改めて読んでみて、これを大学生に読ませる先生のセンスにちょっぴり疑問を感じます。今はどうか知りませんが、私の大学時代、文系の学生って世界一ヒマな人種だったと思うので、頭の中は常にビーチでぼんやり状態。(それは私だけ?)
いずれにせよ、当時の私はこの本が語りかけている人物像からは程遠く、この本の価値が本当に分かったとは思えない。
実際、タイトルの意味すら分かってなかったんじゃなかろうか。
それはさておき、それから何年も何年も何年も何年も経ち、家族を持ち、中年にさしかかり、再びこの本を手にした今は非常に興味深く読みました。
私はインターネット出現の前と後を両方知っている世代なんですが、ネット前の生活(つまり90年代くらいまで)は、今思えばとてものんびりしていたように思うんですが、しかし実際は、1950年代ですでに人々は今の私たちと同じ目まぐるしさや息苦しさや渇きを感じていたんだなぁと驚きです。人類は、いったいどこまで忙しくなっていくんでしょうかね。
冒頭の「THE BEACH」と、晩年を暗示する「ARGONAUTA」の章は本当に好きです。
この2つの章で描かれる浜辺での生活にはとてもインスパイアされます。
こんな休暇を取りたい!と心から思います。浜辺のボロ屋か森の中のボロ屋が近場で売り出されてないだろうか、そういうものを買って週末毎に通いたい、と本気で思いました。(実はちょっと真剣にネットで検索してみたりした)
著者が、浜辺で拾ってきた貝がらをしげしげと眺めながら、自分の心の中にあるものをすくいあげ、明らかにしていく、というコンセプトの本ですが、似た意味の単語や語感の良い言葉のペアをいくつも並べて繰り返す表現手法は、海の波の寄せては返すパターンを連想させ、読んでいると、まるで私も海辺で静かに波の音に耳を傾けているような気がしてきます。
ネイティブレベルからは程遠い英語力の私には、思わず読むのが止まってしまう面倒くさい文章も多々あったのですが、この遠く静かに響く波の音のおかげで、終始心地よく読めました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
きれいな英文。内容はあまりぴんと来るものがなかったけど文章がいい。
-
美しい。
イギリス人の友人にすすめられて読みました。
時代を超えて「女性がどうあるべきか」について書かれています。
読み終わったとき、ふと、男女の恋愛観の違いについて、
「(思い出を)男はフォルダ保存、女は上書き保存する」
という一青窈さんの言葉を思い出しました。 -
直ママさんお薦め