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- Amazon.co.jp ・洋書 (720ページ)
- / ISBN・EAN: 9780743486194
感想・レビュー・書評
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Fitzgerald家の長女Kateは重い骨髄性白血病。次女Annaは姉と完全に一致するHLA型式遺伝子を持つ細胞を選ばれて体外受精で生まれた。長男Jesseは自分がKateと遺伝子が適合しなかった事から、自分は役立たずだと思っている。母SaraはKateの病状の変化に翻弄され、父Brianは消防士だが職場より自宅の方が緊急事態が多いと感じている。
Annaはこれまで臍帯血、数回の輸血、幹細胞、骨髄をKateに提供してきたが、13歳になったある日、更に腎臓提供を求められ、自分の身体の権利を求めて両親を裁判で訴える。それは同時にKateの死を意味している。裁判の過程で、それぞれが抱える深い思いが明らかになり、同時に作者は”あなたならどうする?”という疑問詞を読者に投げかける。最後に予想もしなかった結末が待っているのだが、何ともやりきれない思いが残る。この作品は単なる重病の子供のお涙頂戴物語ではない。読み終わって、私は養老孟司氏の「人間の死亡率は100%」という言葉を思い出した。
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