Meditations: A New Translation (Modern Library Classics)
- Modern Library (2003年5月6日発売)
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- Amazon.co.jp ・洋書 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9780812968255
感想・レビュー・書評
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邦題「自省録」
哲学書であるが、箇条書きの要領で思考に関するアドバイスが与えられており、より良く生きるための実践の書としても読める。
複雑なところもあるが、伝えられていることは限られていて、例や場面を変えながら同じ教えを繰り返し伝えているので、徐々に染み込むように理解が深まる。
主なメッセージは以下。
・全ては自然の法則、神の意志、宇宙の意志に基づいている。
・自分の持っているものに満足する。
・現実だと思っていることも、実は自分の意見でしかない。幸せか不幸せかは考え方で決まる。
・罪も間違いも神の意志でこの世に存在する。罪人すら、それ相応のものを受け取るために存在する。
・現世にこだわらない。全ては消え忘れられる。
気になったのは、キリスト教的価値観例えば、永遠なる死後の世界を現世よりも重視するなど、日本で馴染みの薄い考えや極端な言い回しも出てくるので、日本でこれが受け入れられるのかは少し疑問がある。
ちょうど同じ時期に、トルストイの「戦争と平和」の中で、歴史は一人の英雄によって生み出されるのではなく、大きな流れによって必然的に展開する、と言う主張を読んだ。
神の意志や歴史の流れという、人間の力と理解を超えたものの存在を認めることは、人生を豊かにしてくれると感じる。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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