A Funny Thing Happened on the Way to the Future: Twists and Turns and Lessons Learned

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  • Hyperion
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9781401323868

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  • Spin City買った際に発見。題名の元ネタはミュージカル(のはず)。出版は去年。オーディオが本人朗読なので買ったけど本でも持ってたかったので両方購入。
    高校の英語のリーディング本くらい薄い(高校英語では読みこなすのに苦労するかもしれないけど)。ハードカバーだけど新書くらいのサイズで、ちょうど100ページ。大学の卒業生向きに書いてあるようだけど、朗読1時間半くらいの講義になるんで、「ハーバード大教授の熱い授業(だっけ?)」と並べてレクチャーとしてぜひ発表してほしい(ただし朗読は超早口)。

    内容は、以前の著書やインタビューの焼き直しで、ラストを除いて目新しい内容は特にない。
    ただ、「高校を中退した人の立場から語る教育論」という軸で話を編集しているので、メッセージの趣が微妙に違っていて面白い。全体に、前作より軽い内容で、病気になってからより病気になる前の自身の「学び」のスキルを解説している。
    前半は各章が「政治学」とか「比較文学」「物理学」なんかに分かれていて、大学の講義室の外にいたマイケルが、これらを実体験でどういう風に学んだかを上手く関連付けている(「物理学」の章で出てくるのはもちろんタイムトラベル理論)。それらのエピソードを通して、「自分で学ぶ気さえあれば、どこでだって、何からだって学べる」ということを言ってる。

    そして、本当の「学習」とは、自分の人生がわき道にそれた際に本当の威力を発揮するもの、というのが、後半のポイント。
    最後の章は、引用したい部分だらけだけど、いくつか(下手な訳で)ピックアップすると
    「信じ難いことだけど、災難こそがより豊かな人生をもたらしてくれるものなんだ。」
    「勝つ、ということが、幸せで安定した人生をつかんで、守ることならば、勝利へのたった一つの方法は(困難に向かって戦うことではなく)折れることだ。」

    困難に直面したとき、困難にいる自分を否定して逃げるのではなく、それを受け入れる、ということ。その上で、自分が何をできるかを模索する。それによって、将来の道は当初の計画よりも良いものになる。

    逆説のようで、実に的を得ている。学校で学ぶことが「はっきりした将来の道筋を立てること」につながるなら、自分の人生が思い通りにいかなくなったとき生きてくるのが実体験で学んだことである、ということだろう。深いな。

    「今でも時々、すべてが元のままになってるかもって思いながら目が覚める」という部分は泣けるし、「何で自分が」と思うのは当然だと思う。そこで、そのまま自暴自棄になるのか、その状況を受け入れて生きてくのか、分かれ目は何なんだろうな、と思うと、この本で言っているように、それは家族や恩師であったり、環境であったりするのだろうけど、この人の場合は天性の気がする。

    さらに、この人のすごいところは、自身の境遇を「受け入れ」ながらも、一方でいまだに「戦ってる」こと。実際、彼の基金が創設されてからのパーキンソン病のリサーチの進化は目覚しく、最近では「治療」が現実的に語られるまでになっている。これは、マイケルの影響力なしには不可能だったと誰もが認めるはず。パーキンソン病患者やその家族、その研究にかかわる人にとって、マイケルの登場によって未来は間違いなく変わった。

    自分も、思えば、バック・トゥ・ザ・フューチャーを見て、「これが英語で分かるようになれたら」と思ったのが、英語学ぶきっかけだったような。ラジカセに映画一本分録音してウォークマンで聞いてた日々。結局理解できたマイケルのセリフは「かっこインテグラ」だけだったねえ(笑)。本を読みながら、久しぶりにそんなことを思い出してる。

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