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- Amazon.co.jp ・洋書 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9781573228732
感想・レビュー・書評
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寒さが指先に凍みる季節に、読みたくなる本。
薄灰色の空気が漂う監獄の中、怪しい美しさを放つ白い手に握られた、一輪のスミレの花・・・・という色彩のイメージが官能的で絵画的。
怪しげな雰囲気が霧のように漂う、胡散臭さが心地よいお話です。ラストのオチにはかなり驚きました。予想してなかった。
恋愛を宗教まで昇華させてしまうこと・・・埋めたい心理、渇望。答えが欲しい、支配されたいって思い。
脱却を願いながら、支配を請う…いや、脱却は願ってないのか。ここにいる自分は「半身」でしかないって思いの裏には、自己肯定(remain)と逃避(flight)が入り乱れてるのか。
・・・そんな他人事の感想が浮かんだ直後に、スミレの花が脳裏に浮かぶんです。そして問うんです、「そういうお前のその恋する気持ちは?見たいものしか見えていないのでは?ある種の支配から自由であると信じているだけなのでは?」と。
そんな背中がむずがゆくなる本。
だいぶ百合の要素がある話なので、女同士の恋愛が苦手な方はご注意を。邦題「半身」で文庫化されてるようです。ちろっと検索した感じ、表紙がいい感じに怪しげでした。
何はともあれ、30前で「老嬢」とか言われちゃう時代って辛いな…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
そこそこ面白かったです。でも私には少し難しすぎたかも。ミステリって言うほどのもんではないので、ヴィクトリア時代のロンドンの雰囲気を楽しむのが吉かと。
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