タイトルはMoneyだが、MoneyやCapitalismについての言及は前半部分が主で、後半はアルゴリズムに支配されて人間が価値をなくしてしまう世界観ではアルゴリズムを駆使できるSuperhumanと普通の人間の格差が増長されてしまうということと、自由主義が終焉すると言うことが繰り返し様々な事例を用いて論じられている。
前半部分については先日読んだ岩井克人先生の主張と通じるところがある。歴史を紐解きながら貨幣の本質に迫る姿勢は、経済学者の岩井先生と人類学者のHarari氏の間で驚くほど一致していて面白い。
後半部分については、読むことによって今までぼんやりと考えていた恐怖が具体化された印象。一個人としてできることは結局生涯学習という四字に集約される気がする。その意識を自身に、子どもに、周囲に、徹底していきたい。