The Power of Regret: How Looking Backward Moves Us Forward

著者 :
  • Canongate Books
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9781838857028

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  • 後悔に関する本。全くノーマークだった本だけど、図書館で借りられたので。いつもフィクションばかり読んでいるので、たまにこういう系の本も定期的に読むようにしてみると、新鮮で良き。

    ●『どんなことを後悔しているか?』という問いについて世界中の人から回答を募集する為に著者が設立した”World Regret Survey (https://worldregretsurvey.com/)”によると、人々が抱える後悔は大きく分けて以下の4つに分類される。
    ① Foundation Regret → “If only I’d done the work…” (健康にもっと気を付けていれば良かった、もっと貯金しておけば良かった、など)
    ② Boldness Regret → “If only I’d taken that risk…” (勇気を出してデートに誘ってみれば良かった、あの時もっとリスクを冒してまで挑戦していたら…など)
    ③ Moral Regret → “If only I’d done the right thing…” (子どもの頃にあの子を虐めたりしなければ良かった、浮気なんてしなければ良かった、など)
    ④ Connection Regret → “If only I’d reached out…” (最愛のパートナーと別れてしまった後に再度コンタクトを取ろうと努力すべきだった、友人が病死してしまう前に最期に会いに行くべきだった、家族をもっと大切にすべきだった、など)

    この4つの後悔の中で、Connection Regretが最もよく見られる後悔の形。なぜなら、人は歳を取るにつれて、他の人との関わりが一番大切になってくるから。

    ●著者によると、”World Regret Survey”の結果では、世界中の人が後悔していることのうちの正に2/3もが、”Regrets of inaction”だという。やったことの後悔よりも、やらなかったことの後悔のほうが後々まで根強く残る。もし何かを実際にやった場合、その結果というのは自分には既にわかっていることだけれど、やらなかった場合にはどんな結果が実は待っていたのか?ということは一生わからないままだから。

    ●タトゥーなど、若気の至りでやってしまい、後々後悔するようなことがあっても、その後悔を活かし、将来起こり得る後悔を予測するということが出来る。その例として、ダイナマイトの発明によって巨万の富を築いたAlfred Nobelが挙げられている。彼は、兄が亡くなった際に手違いで自分の追悼記事が新聞に載せられてしまっているのを発見する。その内容が『大勢の人を死に至らしめる物を発明したことで大金持ちになった非道な奴、死の商人が死んだ』 というもので、それから自分の言動や、世間に自分がどう思われているのかに更に気を配るようになり、自分が実際に亡くなった際の遺言状に、自分の財産でノーベル賞の創立を願い、実際の追悼記事ではAlfred Nobelの偉業が称えられることになった。

    ●自分の行動によって起こった結果に対し、”At least…”の精神(少なくとも最悪の事態は免れてラッキー、など)をもって物事を見るのか、それとも”If only…”の精神(あの場面でこうしていさえすれば、など)を持って物事を見るのかでは、そこから将来に向けての自分の成長に大きな違いが出てくる。”At least…”の精神だと、その場で感じている感情をその瞬間に保存するような状態になる。その場の気持ち的には楽になるかもしれないが、自分の将来の決断やパフォーマンスを向上することには繋がらないことがほとんど。一方、”If only…”の精神では、その場で感じている感情は良いものではないが、その分、将来をより良いものにしようとする努力に繋がっていく。


    私が一番メッセージ性が強いなと感じた点は、やっぱり『やらずに後悔するより、やって後悔しろ』といったところかな。確かに、死ぬ間際になって「あぁ、あの時、思い切ってあれに挑戦してみればよかったな…」と後悔するのは嫌だし。そして、『やりたいことがあるなら、今すぐ行動に移すべき』というのも、この本から読み取ったメッセージ。作中でも出てくる言葉で、"The best time to plant a tree was 20 years ago. The second best time is today."というのがあるけど、”Today is the youngest you'll ever be."のようなもので、思い立ったが吉日の精神でやっていかないと、あっという間に歳を取ってしまいそう…と改めて思った。

    ちなみに読了後に”World Regret Survey (https://worldregretsurvey.com/)”にアクセスしてみて、自分の後悔を回答したりしてみた。同時に、世界中の人がどんなことを後悔しているのかも見ることが出来るので、とっても興味深い。こういうサイトから、自分が将来他の人達と同じような後悔をしないように、手遅れにならないように、反面教師のように学ぶのもアリかもしれない。

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