Redemption Road

著者 : JohnHart

• Hodder Paperback (2017年2月9日発売)

感想・レビュー・書評

[amayさんの感想 · 2017年4月28日]

この作家の本は今までも満足してたが、これもやはり面白かった・・・最後はもう息を止めながら読んだ感じで、読み終わった瞬間、心臓の鼓動が早いまま、しばらく放心し、本の世界から抜け出すのにちょっと苦労。落ち着いて来ると共に「なんだこの本は・・」という感情が徐々に。

まず、怖い笑。そして、おどろおどろしい・・そんな内容の物語。

色々な人物が絡んでいる状態で話が展開されるが、進むにつれてそのこんがらかった状態が一つずつ解かれて、段々綺麗に結びついている人達の糸の繋がりが見えるように。味わいのある人達、救いようのない人達が沢山出て来るが、人物描写が丁寧なのでどの人達が絡むエピソードであっても、雑にならずに全て面白く読める。

とは言え、なんだか主人公だけは良く分からないなー、と思いながら読んでいると、それはあまりにも多くの過去と秘密を抱えているからだと段々分かり、その秘密が分かって来ると主人公に対する納得感も生まれて来た。だからと言ってそういう経験をした人が皆こうなるものでもない、と思うが、この辺りはやっぱり男性作家だからか？

とても面白いが、どうしても真犯人の動機、というかその動機があってもここまでやるか？？という点で引っかかり、そこが少し現実感を損なっているのではないかと思ったので☆５つならず。あと、犯人の死にかたもね・・若干やっつけ感が笑。まあ、ここまでの犯人だと、これ以外の終わらせ方をさせるにはもう一冊分の内容が必要になっちゃうかもしれないですね。ちなみに、犯人については途中から「お前だな」と思ったが、多くの人も途中から３人ぐらいに犯人の候補が絞られ、それが一人ずつ抜け、最後「お、おおおお、やはり・・」となるのではないでしょうか。

最後が希望の持てる内容で良かった。皆、幸せになってね、と思わずにはいられない。特に少年。