Nineteen Seventy-Seven (The Red Riding Quartet)

著者 : DavidPeace

• Serpents Tail (2001年7月1日発売)

感想・レビュー・書評

[johnnycakeさんの感想 · 2020年10月20日]

Red Riding Quartetの２作目、前作同様暴力・セックス・警察の腐敗満載で救いのない世界を描いている。１作目の終わりとどうつながるのかと思ったが、今回は１作目で脇だった２人が交互に語り役となっている。実際のヨークシャー・リッパーとの関わりもよりはっきりと見えてきている。各章の始めに架空のラジオ番組のパーソナリティとリスナーの会話が入っているのだが、これがいい。当時の保守的で女性蔑視の社会の様子がこのやり取りにうまく凝縮されていた。