- Amazon.co.jp ・洋書 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9781982131739
感想・レビュー・書評
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選挙前に発売されベストセラーになっているので、少なからず選挙に影響しているのだろう。
少なからず、という意味は、トランプに投票する人は、この本を読んでも(読まないと思う)トランプに投票するのだろうし、その逆も然り。
(トランプに投票しない人は、如何に彼が当事者能力がないか確認するだけのことなので)
本著の特徴は、トランプが著者との間で何度も直接インタビューを受けていること。生の声をそのまま記載していること。
当然、トランプは、本になることは分かっているので、表現には注意しているのだろうが、驚くことが、大統領たるもの、表現が非常に単純で論理的でないこと。
これは客観的な事実や理論の組み立てができていない、ということだと思うのだが、この”難しくない表現”が却ってトランプ支持者には受けるのだろう。
その他、内容として裏話的なところが多く含まれていて、数々のエピソードを裏付けることになっている。
大変興味深く読み進めることができた。
さすが、著者はワシントンポストの元第一線の政治記者。
彼は「自分は柔軟だ(Flexible)」を何度も強調し、それが強みと自慢するのだが、表現を変えると、確たるポリシーがない、コアの考え方がない、ということなのだろう。これも、これまでの彼の言動をみると既に確認できていることだが、自らの言葉で語られると、如何にそれを自分の中で正当化しているかがよく分る。(少なくとも弱味と思っていないし、そうである以上、改善はない)
ジョンボルトンの本を読んでも同じことを感じるのだが、トランプが選挙で敗れることが、アメリカにとってプラスになるということの再認識。
エピローグにある最後の一言が、この本の全てを語っている。
When his performance as president is taken in its entirety,I can only reach one conclusion: Trump is the wrong man for the job.
今回の選挙結果は本著出版の目的を果たしたことになる。
アメリカのメディア、マスコミの強さは、このような本が出ていくること、それがベストセラーとなること。
為政者、権力者から、Fake Newsと攻撃されても、それを何倍ものパワーで跳ね返す力がある。詳細をみるコメント0件をすべて表示