- Amazon.co.jp ・洋書 (179ページ)
- / ISBN・EAN: 9783931141806
感想・レビュー・書評
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on the road.
アメリカがこの一冊に詰まっている。
アメリカ縦断旅行のきっかけになった写真集。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世界で最も売れている写真集の一つであるロバート・フランクの代表作。
1955年から1956年にかけて外国人としては初めてグッゲンハイム財団の奨学金を得て、アメリカ各地を旅行し撮影されたものです。
中古のフォルクスワ-ゲンに子供二人と奥さんの三人を乗せて(!)の家族撮影旅行でした。
まさかそのとき撮影した作品が後にコンテンポラリ-写真のル-ツと呼ばれることになろうとは本人も夢にも思わなかったでしょう。
使用したフィルムは500本。当時のアメリカは黄金の50年代と呼ばれ、中流階級が形成されアメリカン・ドリームの夢に国民は酔っていました。
スイスからの移民者の目で、ありのままの現実のアメリカを撮影した一連のイメージはアメリカ人が抱いていた母国のイメージとかけ離れていまたらしく、発表時は“反アメリカ的”と酷評されました。
当時は雑誌“ライフ”や“ルック” など社会や人間の現実の描写を重要視するフォト・ジャーナリスト的写真が主流だったのです。個人の主観的な視点で表現したフランクの写真は画期的で、その後の写真家に大きな影響を与えることになります。
オリジナル写真集は“アメリカ人”として1958年パリのデルピル社から刊行されています。見開きに1枚づつ配置された写真は約80枚、読者の見方が撮影地で影響されないようにキャプションは巻末にまとめられています。序文は当時のビートジェネレーションを代表する作家ジャック・ケラワック。これがまた傑作なんです。以下、心の琴線に触れた一節を抜粋させていただきます。
「この写真集が気に入らないって奴は、要するに詩が嫌いってことなんだよな。詩の嫌いな奴は家に帰って、でっかい帽子のカウボ-イ達が、優しい馬達に慰めてもらっているビデオでも見てろよ。ロバート・フランクにオレからのメッセ-ジ。あんた、目があるよ。それと一言、あのピンぼけの悪魔どもでいっぱいのエレべ-タ-で、空を仰いでため息ついている哀れな悲しいエレべ-タ-ガ-ル、あの娘の住所と名前を教えろよ」。 -
METのロバート・フランク展に行ってきました。その写真集。
アメリカをpoliticalに、ironicalに描写するという大きなテーマを持ちつつも、写真に映る人たちのひとつひとつの表情が、すごく人間味を出している。
時代を超えて。素敵! -
息子のニューヨーク土産。
いい。
ユダヤ人であるRobertの目を通したアメリカ。
歴史の中のアメリカを観ることができます。 -
ロード・ムービーならぬロード・フォトグラフィーの名作。50年代のアメリカがイキイキと写っている。
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ユーモア、悲しみ、なんでもあり性-とことんアメリカ的な写真集。