猫の大虐殺

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000017909

作品紹介・あらすじ

パリの労働者街の猫はなぜ殺されたのか。赤頭巾説話、作家たちの警察調書、百科全書派の戦略、ルソーの読者たち…。鮮やかな史料の解読によみがえる、18世紀フランスの社会と奇妙な精神世界。

感想・レビュー・書評

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  • 2011 5/1読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。
    ハーバード大学図書館長・ダーントンによる、著名な文化史の本。
    18世紀のフランス人がなにを、どのように考えていたか、一般人に着目し探ろうという本。
    書物史、知識史、読書史の分野でたびたび引用されているのを見て、興味を持ち手に取った。

    読書史に関連して面白いのは6章「読者がルソーに応える」。
    18世紀のあるフランス人はどんな本を買い、どんな風に本を読んでいたのか?
    ルソーが『新エロイーズ』の中で読者に求めた読み方、あるいは求めた読者像とはどんなものだったか。そして、読者たちがいかにそれに応えたか。
    また、研究手法上の限界について言及している「結論」も参考になる。

    もちろん研究上の興味を抜きにしても、18世紀フランス人の社会について生々しく書かれているのもそそられる。
    わりと卑猥な話も多いしね! 元帥の愛人と結婚したけど、住居は元帥のところに置いたままにしている劇作家の話とか! ただ、それすらも単なる猥談としてではなく、したたかに、狡猾さを持って生きる当時の仏庶民の生き方を描くものとして扱われているわけで、現代の感覚と違うことを理解せねばならないってのは度々、喚起させられる。

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