ヒグマが育てる森

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 19
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000019385

感想・レビュー・書評

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  • 著者の、ヒグマを追い続ける生き方がすごい。
    野生動物...、特に「人の生活を脅かす」と言われる動物との共存・共生を本気で考えなければならないのだと思った。
    すでに絶滅した北海道のオオカミの二の舞は避けたい。

  • 動物園のクマや害獣としてのクマではなく、『生き物』としてのクマを見守り続ける作者の愛情が伝わってきます。
    のぼりべつクマ牧場に行ってみたくなりました。

  • 人里に下りてきた際の危険性…。クマは悪者だと誤解されやすい。が、森はクマに生かされているのだ。生態系の豊かさを担うかけがえのないクマとの共存。北海道の大地で、アイヌ文化と深く接しながら、ヒグマの研究と保護に携わった著者が、その可能性を探る。

     ともすると、人間の命を奪う獰猛な野獣として駆除が叫ばれる。そんなクマとの共存をひたすらフィールドで研究してきた著者。30年ほど前には「めしは食えず、卒業できず、就職できず…」と歌まであった「北大クマ研」に属し、見返りを求めず森に繰り出した。その後、のぼりべつクマ牧場に飼育係として就職。自らクマの子どもを育て、「ヒグマのお母さん」と呼ばれるようになった。野生に身を投じる壮絶なまでの人生を通し、著者が培ってきたのが「アイヌのヒグマ観」。アイヌ文化の伝承者たちとともに、カムイチセ(クマの冬ごもり穴)を訪ね歩き、彼等の世界観を共有する。クマは山の神キムンカムイである。植林されて針葉樹ばかりになった森はクマにとって死んだ森。ドングリが無い…と、里に下りてきてしまう。大切なのはクマの駆除より豊かな生態系としての真の森の再生。北海道がいつまでも平和な野生のシリ(大地)であるように。切なる願いが語られる。(S)

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