新約聖書〈2〉ルカ文書−ルカによる福音書 使徒行伝

著者 : 新訳聖書翻訳委員会 佐藤研 荒井献

• 岩波書店 (1995年10月27日発売)

感想・レビュー・書評

[A.OKIさんの感想 · 2010年5月25日]

-内容-　ふたたび「古典の中の古典」と出会う——ギリシア語原典に忠実であることを目指した新鮮な訳文が、新約聖書の魅力と謎とに新しい光を投げる．読みの道しるべとして脚注や挿図を付した，画期的な日本語訳の登場。

[oriduru1970さんの感想 · 2021年2月26日]

イエスを裏切ったユダもイエスの磔刑を歓迎した人々の多くもユダヤ人だったけど、イエスもイエスの弟子たちもまたユダヤ人だった。なのにどうして、イエスの磔刑を理由にあそこまで苛烈なユダヤ人迫害をすることができたのか疑問だった。
こうして改めて、きちんと新約聖書を読んでみると、新約聖書の中でのユダヤ人に対する差別描写の激しさに驚かされる。
使徒列伝は、正直に言えば途中で嫌になって読むのをやめたけれど、カトリックにおいて重要な聖人であるパウロが、少なくとも二回はユダヤ人との絶縁を表明している。
パウロさえ絶縁しているユダヤ人を排斥することに、良心の呵責など感じることもなく、むしろ神を喜ばせる善行だとさえ考える時代もあったのかもしれない。差別が社会的正義だとされる社会では、その差別の是非を問うことさえ社会に対する反逆ととらえられる。

サウロは、はじめはキリスト教徒を苦しめていたけれど、神に選ばれ悔い改めた聖人として教わった。実際は、とんでもない差別主義者だったんだな…。
この翻訳をした人たちが、訳注で差別は間違っているという姿勢を示してくれていてよかった。

[yasuhiro1971さんの感想 · 2010年9月10日]

バイブルだぜ！