- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000062268
作品紹介・あらすじ
おでん、ブリしゃぶ、松茸の土瓶蒸し…。出汁文化はどうして生まれた?ボタンエビに桜鯛、筍、鱧、鮪、鰻…。四季折々の味覚を楽しめるわけは?どんな日本酒、焼酎、ワインが合うのでしょう。わたしたち日本人は、地震や火山噴火などのとてつもない試練を日本列島から与えられてきました。そして、これからも与えられ続ける運命にあります。しかし同時に、数えきれないほどの恩恵も授かっています。その一つが「和の食」といえるでしょう。「食べものって、その背景にある自然の営みを知ると、ずっと深く味わえるのね!」マグマ学者(著者)と一二カ月の食べ歩きをした姪御さんもいっています。あなたもさあ、一風変わったグルメ散歩をご一緒にどうぞ。
感想・レビュー・書評
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タイトルのグルメ情報も面白くはあるが、日本を中心とした地球におけるマグマの活動とプレートテクトニクスに関する講義。
月毎の食材に関連して地学の質問に答えるかたちで構成されているのと、図示が非常に分かり易い。
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「和食はなぜ美味しい」by巽好幸
地質学習が紹介するグルメ散歩の本だが、和食のお店や技法の紹介ではない。
出汁と軟水、氷見の寒鰤、明石鯛他のうまさなどを引き合いに、日本列島の成り立ち、南海プレートの動きなどが如何にこの国の海、山の食材の豊かをもたらしているかを解説。
日本という国は地震や火山噴火などの幾多の試練に見舞われてきたが、それが和食へ数えきれない恩恵を与えているらしい。
食材に場を借りた日本列島に関する解説と言えないこともないが、納得の内容だった。ブラタモリの世界(笑)
副題:日本列島の贈りもの
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[評価]
★★★★☆ 星4つ
[感想]
一言で書くと『読むブラタモリ』といったところか。
和食をきっかけに使われている食材が生まれる要因を地学に繋げ、日本列島の地形や地質などの解説している。
著者と姪の会話を交えつつ、食材から日本列島の地形や地質を解説しているため、興味深く読むことができた。
ただ、輸入食材を度々、けなしていることが気になった。
著者自身も書いているが和食は日本の地形や地質から生まれた食材を生かした料理なのだがら、輸入食材を使用した和食が本来の味から一段と落ちてしまうことは仕方のないことだと思う。 -
料理の本ではなく地学の本。著者は地質学者で、プレートテクトニクスや火山・大陸の生成を専門としている。和食の素材が日本の地形とどのように関係していて、その地形がどのように生成されているかを12のテーマに合わせて解説している。日本列島がなぜ今のような形に作られたのか、その成因がわかりやすく解説されている。
地質の話だけでなく、その日本の地形がどのような風土や食材を産み、どのような料理になるのかという話、食材の旨味が生成される生化学の話、それらを活かす料理人の技術の話も興味深い。そして、その料理の描写がとても美味しそう。
以前に読んだ『なぜ地球だけに陸と海があるのか』と同じ著者。こちらも面白かった。 -
昨年、巽先生の講演を聴きに行った際に、この本の存在を知りました。
巽先生、どんだけグルメなんですか(笑)。
講演では、グルメ本ではない、とのことでしたが、グルメ本ですよ、これ。
とはいえ、地球科学の話もたっぷりあり、いろんな意味で、巽先生の本領が発揮された
本だと思います。