生の短さについて 他二篇 (ワイド版岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000073561

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  • 理解できないことがほとんどだが、ところどころキラリと光る主張がなされている。とても紀元前後の人とは思えないほど、現代の人間の弱さを見抜いている。時間を大切に、濃密に使いたいと強く思う。

  • 現代になっても人を取り巻く悩み,苦悩に対し,セネカがズバリとそれを捉え,どうすべきか導いてくれている.

    セネカの文章自体は独特で正直読みづらいところもある.
    手っ取り早くエッセンスをつかみたい人は巻末の訳者の解説を読むといいと思う.

    ==========================
    ”これ見よがしの見えを排除し,装飾性ではなく実用性を持って物の価値を測ることに慣れよう.食べ物は飢えを,飲み物は渇きを抑えるものとし,肉欲は必然性のあるとロコへ向かわせることにしよう.自分の手足に頼り,服装や食物は最新の流行に合わせるのではなく,われわれの風習が勧めるものに合わせることを学ぼう.自制心を鍛え,贅沢を控え,虚栄心を抑え,怒りを鎮め,貧しさを偏見のない目で眺め,質素を大切にし,たとえ多くの人がそれを恥じようとも,自然の欲求を満たすには安価で賄えるものを当て,手綱が切れたようなとめどない期待や,未来をひたすら待ち望む心にいわば枷をはめる術,富を運命に求めるのではなく,我々自身に求めるようにする術を,我々は学ぼうではないか”


    多数の者が同意して受け入れたものこそ最善のものと考えて,事をなすに世評に頼ること,また,善きものとして通用している洗礼が多くあるが,理性を判断基準にするのではなく,人と同じであることを旨として生きることほど,大きな害悪の渦中にわれわれを巻き込むものはない

    快楽は低俗で奴隷の如きもの,脆弱で必減のものであり,娼家や料亭をその居所,その住処とするものである.

    我々が快楽の主人であり,統制者なのである.

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著者プロフィール

ルキウス・アンナエウス・セネカ(Lucius Annaeus Seneca)。紀元前4年頃(紀元前1年
とも)~紀元65年。古代ローマのストア派の哲学者。父親の大セネカ(マルクス・アンナ
エウス・セネカ)と区別するため、小セネカ(Seneca minor)とも呼ばれる。ローマ帝国の
属州ヒスパニア・バエティカ属州の州都コルドバで生まれ、カリグラ帝時代に財務官とし
て活躍する。一度はコルシカ島に追放されるも、クラウディウス帝時代に復帰を果たし、
のちの皇帝ネロの幼少期の教育係および在位期の政治的補佐を務める。やがて制御を失っ
て自殺を命じられることとなるネロとの関係、また、カリグラ帝の恐怖の治世といった経
験を通じて、数々の悲劇や著作を記した。本書はそのなかでも「死」との向き合い方について説いた8つの作品がもとになっている。

「2020年 『2000年前からローマの哲人は知っていた 死ぬときに後悔しない方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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