気のコスモロジー: 内部観測する身体

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000225366

作品紹介・あらすじ

あなたは、みずならの木肌に酔うひぐらしのこころを体感できますか?生々流転、変わり続ける自然世界の諸相は、不変同一性に呪縛された唯脳論ではつかめません。著者は非同一の世界に迫る観測方法を求めて、虚構の人工世界を構築してきた西欧の思想や科学に抗い、達磨禅や山水画や古代中国哲学の世界に分け入ります。そして見出した豊穣な気の世界。そこには脳の認識形式に依拠しない、身体による内部観測のあり方が暗示されていました。いまはじめて東洋の英知のエッセンスが、従来の西欧の思想・科学に依拠せずに解き明かされます。

感想・レビュー・書評

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  • 荀子で一つ飛ぶなあ、という感覚を言語化してもらったので、何回読んでもすごい。
    p43霊的な主体としての私の解体。p47私主体論の否定。p81表示機構と因果論の話。この辺りを追いかけるのはちょっと面倒くさいが追跡ぽくて楽しい。p132万有との深い出会い。多様な生命体について振りかえり同じ生命体同士としてもう一度出会いうる場もこの連続変化する自然世界の意味場を置いて考えられられない。p160深く長い呼吸と一つの対象への思考性の集中を試みることは、脳の地を鎮めようと志向しない。鎮まっていく。p164井筒俊彦の引用。p228の図、頭だけなのに注意。p261私の表象の心を鎮めて使わないこと。物事の現れ変転をそのまま待って受け入れる。自然世界の現実に埋もれている体の場そのもの。6章の荀子論。>なんかこっちに引っ張りすぎている気がするがどうなんだろう。p273天官の簿の解釈。p275約としての言葉、名。p283変化し続けている事物の類同性を指し示す言葉の類同性。位相的な。 

  • 主観客観図式に中国哲学から批判を加えた本です。内部観測というから、仏教などでいう内観のことかと思ったら、体を通して世界内部から世界を観測するという理論であった。なかなか興味深い書物である。

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