- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000225984
作品紹介・あらすじ
経済活動において農業の占める割合は、特に先進国では小さくなってはいるものの、人が食事をする存在である限り、農業の重要性は未来永劫変わらない。この本は封建社会未期から現代まで、農業・農学は何を課題にし、どう展開してきたのか、またその基本理念・思想はどうであったのかを説明する。そして現代農業の課題と展望を示す。農業・農学を学ぼうと志す人びと必携の書である。
感想・レビュー・書評
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近代以降の数々の農業思想家をダイジェスト的に振り返るには非常に良い書籍だと感じた。資本主義の変遷に沿って解説することで、いかに農業が資本主義の中で振り回され、資本主義の矛盾の中で解決策を見出さなければならない複雑な産業であるかがよくわかった。
また思想家のほとんどが経済学者であるように、つい200年前までは農業は経済の根幹を支える重要産業であったことを、ふと思い出された。 -
アダム・スミス、ケネー、マルクス、ケインズ、ガルブレイス、ポランニーなどなど、今まで勉強してきた人たちを農業的な視点から見ることが出来ました。
この種の書籍ははじめて読むので、すんなり頭に入ってこなかったんですけど、また別な本なども読んで理解を深めたいと思った1冊。
内容は良くも悪くも教科書的。 -
農業はその存在感を低下させながらも、重要な地位にいることは間違いがなく、それは単純な資本主義・市場経済に支配されないのは明白である。経済以外の観点で農業を捉えようとした試みには歴史があり、それはその正当性を高める。翻って、農業の地域特異性を顧みず、競争原理の導入のみを目的とした、農業自由化の試みは、持続的な農業の取り組みに逆行するものであると感じる。