- Amazon.co.jp ・本 (110ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000243025
作品紹介・あらすじ
行政の過ちによって生じた年金記録問題。被害者たちは一向に救済されないまま、政治はいたずらに時間を費やしている。厚生労働省の改ざん問題の調査委員会委員長をつとめ、約六万九〇〇〇件の年金記録を「改ざんの可能性が高い」と認定した著者が、この問題はなぜ生じたのか、真に問われるべき点は何かを明らかにし、具体的な救済策を提言する。錯綜する年金記録問題を理解するための必読書。
感想・レビュー・書評
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http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4000243020
── 野村 修也《年金被害者を救え ~ 消えた年金記録の解決策 200908‥ 岩波書店》
野村 修也 商法学 19620412 函館 /中央大学法科大学院教授
http://www.nomura-legal-consulting.com/ 野村修也のブログ寺子屋
https://twitter.com/NomuraShuya(20131025 フォロー)
…… 国民年金の不正免除事件で厚生労働省の調査委員を務めたことが
きっかけで、5000万件の「宙に浮いた」年金記録問題についての調査委
員を歴任。その後、福田康夫内閣総理大臣(当時)の特命を受け、舛添
要一厚生労働大臣の下に設置された「年金記録問題特別チーム」の室長
に就任した。このチームは、伊藤達也首相補佐官(当時)と連携しつつ、
年金記録問題の解決の道筋を検討するとともに、社会保険庁の保管する
紙台帳の現況調査や年金記録の遡及訂正案件のデータ調査などを実施し、
福田総理(当時)へ報告した。その後、福田改造内閣の発足時に、いっ
たんチームは解散するが、麻生内閣の発足と同時に年金記録の改ざん問
題が社会的関心を呼んだのを受けて、2008年10月6日に、舛添要一労働
大臣直轄の組織として「標準報酬遡及訂正事案等に関する調査委員会」
が組織され、その調査委員長に就任した。同年11月28日に、同調査委員
会は、年金記録の改ざん問題について、「現場レベルでの『組織性』」
を認定する報告書(野村委員会報告書とか、野村レポートなどと呼ばれ
る)を公表した。(Wikipedia)
…… 第三者機関を率いて(あなたなら)どのように指揮しますか?
http://q.hatena.ne.jp/1180911146(20070604 07:52:26)
首相は「5000万件を、一年以内に突合する」と約束しましたが。
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著書は、先般の年金記録問題に従事した筆者が、年金記録問題の内容と問題点そして提言をまとめたものである。著者は中央大学法科大学院教授で官庁の法令順守室長も務めている。
第4章に年金記録問題に対する著者の具体的提言がまとめられている。年金記録の修復という案なる作業をあたかも政策課題のほうに格上げし政局に結び付けた民主党と「最後の一人まで確認」するといった政府与党を批判し、年金記録問題の確認作業を待つことなく(統合作業ばかりではなく)一刻も早く救済すべきとの提言、さらにはそれを国民運動まで展開することで解決に導くことができる旨の内容が記されていることについては興味深い。
また、冒頭の考え方、
①無理なものは無理と認めよう
②謝罪すべきものは謝罪しよう
③みんなで許しあおう
④力を合わせて解決しよう
⑤過去を清算し明日のこと議論しよう
は本書の考え方の底流にある。
年金の細かい知識も多少必要なので、第4章だけでも読まれることをお勧めします。