昭和という時代を生きて

著者 :
制作 : 塩野 米松 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 41
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000258685

作品紹介・あらすじ

激動の現代史を走り抜いた男の気骨。前日本テレビ放送網代表取締役会長が初めて語ったその生涯。

感想・レビュー・書評

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  • とっても面白かった。知らなかった昭和という時代をもっと知りたいと思った。聞き書きだからスラスラ読める。

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  • 元・日テレの社長・会長である氏家さんの回想記。まるっと昭和平成を生きた方で、政財界に強いコネを持つだけでなく、持ち前の発想力でカストロとも交流する稀有の存在。政治やビジネスの部分ではキナ臭い話もたくさん出てくるが不思議と清々しい。おそらく本人の欲望を満たすことをあまり考えていないからだろう。特に面白いのはスタジオジブリとの関係。三鷹の美術館の必要資金の大半を出しつつ、市に寄付するという大盤振る舞いというか大胆な決断。そしてあの物語ができたきっかけやあの物語がブレイクしたものそうだったのかという驚きの事実。夏になると昭和の話が読みたくなるが、これは別の切り口でとても面白かった。

  • 「全部やれ。日本テレビえげつない勝ち方」から。「全部やれ。」と若手テレビマンに言い切った男の骨太な人生です。インタビューから構成された本なので、本人の意志ではないとは思いますが、本書最後のフレーズの「僕は新聞の役目は反権力だけじゃなくて、非権力だと思っています。」が強烈な印象。「非権力」という大きな分母が戦後の昭和を乗せていたのだ、と思いました。大正デモクラシーの雰囲気を産湯とし、東京のエリートコミュニティの中でノブレスオブリージュ的な意識を育み、新制の東大での共産党との出会いと別れ、読売新聞記者としての経済界と政界での大仕事とネットワーキング、氏家齊一郎の動いて来た軌跡こそが「もっとも成功した社会主義」が成立するまでの昭和の歴史に見えます。そして、彼の傍にはいつも渡邊恒雄という友人がいました。渡邊が太陽なら氏家は月か?氏家がその後巡り会う宮崎駿と高畑勲の関係にも似て、チームやコンビではない「二人で一つの物語」。面白かったのは高畑勲を評した「あの男にはマルキストの香りが残っている。」という愛情表現。共産主義に心を寄せた青春が読売新聞を朝日新聞よりリアルなパブリックなメディアにしていったのだと感じました。

  • 歴史の教科書を読むとつまらない昭和の出来事も一人の人の人生を通してみると面白い人の営みに思える。

  • 地元の図書館で読む。再読の価値ありです。

  • 著作を一つも残さなかった氏家齊一郎氏の唯一の著作、回顧録(聞き書き)。ジブリの風立ちぬへとつながる余韻を残しながら、氏家氏の死去により未完のまま終わっている。サラリと重要な証言を話す独特の語り口が印象的。

  • 日本テレビ放送網会長であった氏家齊一郎氏が、自分の生涯をアンクル米松に語りスタジオジブリ「熱風」に連載された原稿をまとめたもの。
    正力松太郎が築いたヨミウリグループなのだけど、なぜかW氏のように嫌な印象がないのは、ジブリの鈴木プロデューサーのラジオ(Podcast)を聴いているからなのか、氏がなくなられたのが2011年3月であり、311以降の氏の意見を聞くことがなかったからなのか...

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