統合の終焉――EUの実像と論理

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000258999

作品紹介・あらすじ

連邦国家を目指す「統合」の物語は終わった。けれども、もはやEU抜きの統治は考えられなくなっている。「ポスト統合」を生きるヨーロッパをどう捉えたらよいのか。EUの形成過程やその内的なダイナミズムの分析、統合の思想的検討などを通じて、ヨーロッパ統合のもつ豊かな含意を引き出していく。気鋭の国際政治学者がEUの実像と論理に迫る意欲作。

感想・レビュー・書評

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  • 著者 遠藤 乾
    ジャンル 単行本 > 政治
    刊行日 2013/04/23
    ISBN 9784000258999
    Cコード 0031
    体裁 四六 ・ 上製 ・ 508頁
    在庫 品切れ

     連邦国家を目標とする「統合」の物語は終わった.けれども,どっこいEUは生きている.このことをどう考えたらよいのだろうか.EUの形成過程やその内的なダイナミズムの分析,統合の思想的検討などを通じて,ヨーロッパ統合のもつ豊かな含意を引き出していく.気鋭の国際政治学者がEUの実像と論理に迫る意欲作.
    [https://www.iwanami.co.jp/book/b261988.html]

    【目次】
    まえがき

    第1章 ヨーロッパ統合の政治学――EUの実像と世界秩序の行方

    第Ⅰ部 EUの歴史的形成――統合リーダーシップのドラマツルギー
     第2章 ジャン・モネ――「ヨーロッパの父」は何を創ったのか
     第3章 ジャック・ドロール――中興の祖はどう動いたのか
     第4章 マーガレット・サッチャー――劇場化するヨーロッパ

    第Ⅱ部 ポスト統合を生きるEU――冷戦,拡大,憲法
     第5章 鏡としてのヨーロッパ統合――「地域」の作り方と安全保障,経済統合,人権規範
     第6章 拡大ヨーロッパの政治的ダイナミズム――「EU-NATO-CE体制」の終焉
     第7章 統合の終焉か――フランス・オランダによる欧州憲法条約否決は何を意味する

    第Ⅲ部 危機の下のEU/ユーロ――正統性,機能主義,デモクラシー
     第8章 ポスト・ナショナリズムにおける正統化の諸問題――国家を超えたデモクラシーは可能か
     第9章 ユーロ危機の本質――EUの正統性問題からグローバルな「政治」危機へ

    第Ⅳ部 国際政治思想としてのEU――世界秩序における主権,自由,学知
     第10章 ようこそ「多元にして可分な政治体」へ――EUにおける主権と補完性
     第11章 国際政治における自由――EUシティズンシップの問いかけ
     第12章 日本におけるEU研究の可能性――方法論的ナショナリズムを超えて


    初出一覧
    あとがき
    人名索引・事項索引

  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1000995661

  • EU内部のダイナミズムに触れることができるという意味で、稀有な和書。
    政治的プロセスは大変おもしろかった。

  • 「ポスト統合」時代を生きるヨーロッパを経済・国際政治など、様々な角度から読み解いたEU史の決定版

  • よく知っているけれど、よくわからない統治機構 EUについて、その成立から現在の状況までの詳細な経緯、歴史と思想についての解説書。膨大な資料に、お腹いっぱい。

  • EUの統合は終わりつつあり、中では不協和音が生じつつあるが、それでもEUは機能している、何故か?というところから書かれた研究本。

    EUの統合史がよくまとまっており、素人にもわかりやすかった。

  • 出るのを心待ちにしていた本でした。読んでみて、改めて著者の力量に感じ入っています。

    第1章が素晴らしい。EUの意味がここまで豊穣に語られるのも珍しい。第2-4章は、ストーリーテラーの才能を感じます。第5章はちょっと難しいけど、これがあるから6-7章がわかりやすい。8-10章は名論文で、読んでいて小気味よい。11-12章も考えさせられました。

    EUについて考え抜かれた決定版というだけでなく、国際関係や政治を考察するうえでも避けて通れない本に仕上がっていると思いました。

  • 欧州統合の研究書。歴史的、国際関係、政治体制、思想などの側面から多面的な欧州理解を試みており、これまでの欧州研究と一線を画している。
    最終章の一節「日本におけるEU研究の隘路(①EU性善説、②統合現象叙述型、③米国理論直輸入型)」は、実務家としても思い当たる指摘も。
    注釈や索引も充実(全体500ページ弱の約四分の一)しており、欧州債務問題をより深く理解する上で多くの示唆を与えてくれる。

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著者プロフィール

北海道大学大学院法学研究科教授
主著に,The Presidency of the European Commission under Jacques Delors (単著,Macmillan,1999年),『ヨーロッパ統合史』『原典ヨーロッパ統合史』(編著,名古屋大学出版会,2008年),『グローバル・ガバナンスの歴史と思想』(編著,有斐閣, 2010年),『グローバル・ガバナンスの最前線―現在と過去のあいだ』(編著,東信堂,2008年)など。


「2011年 『複数のヨーロッパ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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