旧約聖書 (4)

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000261548

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  • -内容- 旧約聖書が語る人間の悲しみと喜び、醜さと美しさ、恐ろしさと優しさ、傲慢と敬虔。英雄たちの闘いと生。世界に秩序を与えた神の出来事を語る、約束の地の年代記。

  • 旧約はモーセ五書で勘弁してもらおうと思ったのだが、新約を読んでみたらだいぶ間が抜けているみたいなのでしぶしぶもうちょっと読む。
    「ヨシュア記」を“聖”書と呼ぶのは違和感がある。どう読んでも、侵略と虐殺の記録でしかないからだ。数千年前の砂漠の国の物語を今の理屈で読むのは不公平だとは思うが、現代がここから学ぶべきことがあるとすれば、いつヨシュアみたいのが攻めてくるかわからないから備えなければ、ということでしかない。
    訳者もさすがにこれはひどいと思ったらしく、たびたび現れる「聖絶」という言葉は、殺し尽くすことではない、といった主張(弁護?)をしているけど、学問的にはともかく素人には説得力は皆無だ。ヨシュア記の中では、聖絶する、生かしておく、と対比されて使われているからだ。
    イスラエルの侵略が一段落ついてカナンの地に腰を落ち着けると物語は若干血生臭さが薄れてきて、ギデオンが出てきたり、サムソンとデリラが出てきたりする。この辺りになると十八史略みたいな史書っぽい感じが出てくる。

    それにしてもユダヤの人はこのあたりの本をどう読んでいるのだろう? 日本人が戦前戦中にアジアで悪事を働いた話を読まされるようなもので、複雑な心境なんじゃないだろうか? 

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著者プロフィール

1944年、熊本県生まれ。国際基督教大学卒業、同大学院修了。東京教育大学大学院を経て、クレアモント大学院大学にて申命記研究で博士号取得(Ph. D.)。新潟大学、同大学院教授、敬和学園大学学長を経て、現在、フェリス女学院学院長。新潟大学名誉教授。

「2022年 『申命記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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