<民族起源>の精神史―ブルターニュとフランス近代 (世界歴史選書)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000268479

作品紹介・あらすじ

フランス北西部、大西洋と英仏海峡に臨むブルターニュは、巨石文化やアーサー王伝説が残る風光の地として、フランスの中でも独自の光彩を放っている。この地方の人びとが誇る地域言語ブレイス語や、郷土色豊かな民俗文化は、いにしえの「ケルト民族」に由来するとされる。ブルターニュは、スコットランド、アイルランド、ウェールズなどと並んで、ケルト文化の息づく地だというのである。このような起源認識は、いかにして形成されたのだろうか。ヨーロッパ各地の民族起源論・言語系統論、フランスの民族起源としての「ガリア」意識、民謡収集の流行と民俗学の誕生、などの多様な視点を織りまぜながら、民族意識と地域文化成立の意味をとらえなおす。

感想・レビュー・書評

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  • [ 内容 ]
    フランス北西部、大西洋と英仏海峡に臨むブルターニュは、巨石文化やアーサー王伝説が残る風光の地として、フランスの中でも独自の光彩を放っている。
    この地方の人びとが誇る地域言語ブレイス語や、郷土色豊かな民俗文化は、いにしえの「ケルト民族」に由来するとされる。
    ブルターニュは、スコットランド、アイルランド、ウェールズなどと並んで、ケルト文化の息づく地だというのである。
    このような起源認識は、いかにして形成されたのだろうか。
    ヨーロッパ各地の民族起源論・言語系統論、フランスの民族起源としての「ガリア」意識、民謡収集の流行と民俗学の誕生、などの多様な視点を織りまぜながら、民族意識と地域文化成立の意味をとらえなおす。

    [ 目次 ]
    第1部 ブルターニュの誕生と民族起源説の生成(移住の記憶と諸伝説の生成;ブリタニアからブルターニュへ)
    第2部 創出される「ケルト人」(正統化される起源伝説;ガリア・ケルト論の登場;ケルトマニアの誕生)
    第3部 民俗から民族へ(民族主義の源泉としての民俗研究;民俗学とケルト学の成立;地域主義とケルト・ブーム)

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著者プロフィール

女子美術大学芸術学部教授<br>専攻 言語社会学、民族学<br><br>単著<br>『周縁的文化の変貌』三元社、1990年<br>『〈民族起源〉の精神史』岩波書店、2003年<br>共著<br>『記憶と記録』(臼井隆一郎・高村忠明編)東京大学出版会、2001年<br>『ヨーロッパ統合のゆくえ』(宮島喬・羽場久み(*)子編)人文書院、2001年<br>『国民国家はどう変わるか』(梶田孝道・小倉充夫編)東京大学出版会、2002年<br>『歴史としてのヨーロッパ・アイデンティティ』(谷川稔編)山川出版社、2003年<br>翻訳<br>『虐げられた言語の復権』(ジオルダン編)批評社、1987年<br><br>(*)みの字はさんずいに尾

「2005年 『ヨーロッパ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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