ラカンとポストフェミニズム (ポストモダン・ブックス)

  • 岩波書店 (2005年9月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (128ページ) / ISBN・EAN: 9784000270854

みんなの感想まとめ

テーマは、ラカンの理論がフェミニズムに与える新たな視点とその重要性です。著者は、ラカンのファルス概念に対する誤解を解き明かし、彼の思想がどのように女性の抑圧に対抗する根拠を提供するかを易しく解説してい...

感想・レビュー・書評

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  • ラカンというとファルス概念のせいでフェミニストに総スカンを食らってそうなイメージでした。
    ですが実際は、フェミニズムにも凄く有用(特に、主体概念の理解に対して)な理論なんだよー、ということを易しく解説してくれる本でした。
    本文が約70ページ、オマケを含めた全体でも120ページぐらいしかないので、ラカンに関する初歩知識があれば、2~3時間ぐらいでサクッと読めてしまう入門書です。
    図書館で見つけて何となく借りて読んでみたのですが、お手軽なのに勉強になったし、結構いい本だと思います。
    竹村和子さんによる解説もかなり面白い。
    ちなみに個人的には、本書は後ろ(ラカンの基本概念のキーワード解説、竹村和子さんの解説)から先に読んだ方が効率的に理解が深まるように思いました。

  • ポストモダン時代の不安定な主体におけるフェミニズムの役割がポストフェミニズムの問いとなり、フェミニズムの歴史と精神分析との関わりなど概観できる。
    フロイト・ラカンは家父長制の正体を暴き、女性の抑圧に反対する根拠を提示したとされ、フロイト、ラカンに対する誤解や批判を退ける主張が書かれている。
    映画批評とフェミニズムの話では、初期映画理論での主体がスクリーンのイメージに同一化し過ぎていると批判し、主体の分裂(鏡像段階での原初の自像と象徴界への参入で去勢された主体との間で引き裂かれる)から出現する現実界への話が導き出される。
    充実した竹村和子の解説には性的差異について、虚像を土台に生きる人間が過剰さの仮託していた神が死に、個人の心的問題として抱え込む近代以降の時代における心の役割を説明、ラカンの性別化の公式=言存在が抱える不連続を看過することなく人の心理、社会を説明し得た理論とポロメオの結び目、非ポロメオ的結び目(父の名→資本)などの話がされる。

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著者プロフィール

1956年生。ランカスター大学大学院博士課程修了(Ph. D.)。法政大学文学部教授。言語学。『歴史語用論の世界―文法化・待遇表現・発話行為』(共編、ひつじ書房、2014年)、『歴史語用論入門―過去のコミュニケーションを復元する』(共編、大修館書店、2011年)。

「2015年 『目に見えるものの署名』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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