- Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000271714
作品紹介・あらすじ
日本軍から自衛隊へとその名称を変えながら、軍隊(軍事組織)は戦時/平時を問わず日本社会のなかに存在し続けている。社会は軍隊からどのような影響をうけているのか、軍隊は市民社会・地域社会とどのような関係を取り結んでいるのか。敗戦による軍の解体を画期とする連続と断絶の両面から、新たな構図を描き出す。
感想・レビュー・書評
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SDGs|目標16 平和と公正をすべての人に|
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https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/780318詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
旧軍と自衛隊の2部構成で、それぞれ社会との関わりを見る論文集。
旧軍では、河野は文系エリートは上流階層、軍事エリートは中流階層出身がそれぞれ多いという先行研究を基本的に確認。渡邊は徴兵制が必ずしも平等ではなかった点を指摘。阿部は戦後占領と朝鮮戦争期の日本国内での米軍保養施設を、中村は軽視された精神疾患の問題をそれぞれ分析。
自衛隊では、佐々木と清水は自衛隊施設が誘致された又は迷惑基地された歴史をたどるが、両者自身は後者寄りのようだ。野上は防大、佐藤は男性幹部自衛官のあり方や意識をそれぞれ分析するが、一般社会と隔絶されてもいないような、でも完全に同じでもないような感じだ。論文2本から安易に一般化もできないだろうが。一ノ瀬は1960年代〜70年代初頭の陸自幹部学校での沖縄戦史研究が有事法制の必要性主張に使われ、また「玉砕」思考があった点を指摘。 -
東2法経図・6F開架:210.7A/Sh88s/2/K
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【書誌情報】
著者編:蘭信三ほか
ジャンル 社会
シリーズ シリーズ 戦争と社会
刊行日 2022/01/27
ISBN 9784000271714
Cコード 0336
体裁 A5 ・ 上製 ・ カバー ・ 266頁
定価 3,520円
日本軍から自衛隊へとその名称を変えながら、軍隊(軍事組織)は戦時/平時を問わず日本社会のなかに存在し続けている。社会は軍隊からどのような影響をうけているのか、軍隊は市民社会・地域社会とどのような関係を取り結んでいるのか。敗戦による軍の解体を画期とする連続と断絶の両面から、新たな構図を描き出す。
〈https://www.iwanami.co.jp/book/b597628.html〉
【簡易目次】
『シリーズ 戦争と社会』刊行にあたって
総説 軍隊と社会/軍隊という社会……………一ノ瀬俊也、野上 元
第Ⅰ部 旧日本軍と社会
第1章 軍事エリートと戦前社会――陸海軍将校の「学歴主義的」選抜と教育を中心に……………河野 仁
第2章 徴兵制と社会階層――戦争の社会的不平等……………渡邊 勉
第3章 退屈な占領――占領期日本の米軍保養地と越境する遊興空間……………阿部純一郎
第4章 戦後日本における軍事精神医学の「遺産」とトラウマの抑圧……………中村江里
コラム① 重層的記録としての戦争体験記――東京空襲を記録する会・東京空襲体験記原稿コレクションを事例に……………山本唯人
コラム② 「癈兵」の戦争体験回顧……………松田英里
第Ⅱ部 自衛隊と社会
第5章 自衛隊と市民社会――戦後社会史のなかの自衛隊……………佐々木知行
第6章 自衛隊基地と地域社会――誘致における旧軍の記憶から……………清水 亮
第7章 防衛大学校の社会学――市民の「鏡」に映る現代の士官……………野上 元
第8章 自衛隊と組織アイデンティティの形成――沖縄戦の教訓化をめぐって……………一ノ瀬俊也
第9章 「自衛官になること/であること」――男性自衛官の語りから……………佐藤文香
コラム③ 「萌え」と「映え」による自衛隊広報の変容……………須藤遙子
コラム④ 自衛隊と地域社会を繫ぐ防衛博覧会――小松市「伸びゆく日本産業と防衛大博覧会」(一九六二年)を中心に……………松田ヒロ子