- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000291170
作品紹介・あらすじ
人権が普遍的に保障されるという考えは、世界中で確立しているかに見える。しかし現実には、個別の権利や利益が衝突し、深刻な対立が生じている。信教の自由と公教育の宗教的中立原則、表現の自由とポルノグラフィー規制、職業選択の自由と母性保護…。多文化主義、フェミニズムによる「人権の普遍性」批判や現代人権論の理論的展開を踏まえ、ミクロなレヴェルからマクロなレヴェルまで、今日の人権をめぐる難問を徹底解説。
感想・レビュー・書評
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辻村みよ子『人権をめぐる十五講』岩波書店、読了。アタマの中では誰もが人権は普遍的だと考えるが、現実には、権利の衝突と対立が疑義を挟む。本書は、生命の自己決定権、信教の自由、原発事故が脅かす生存権といった具体的な15の「現代の難問に挑む」(副題)ことで、問題解決の糸口を探る労作。
著者は判例を参照しつつ、比較憲法の立場から普遍的であることの基準を模索するが、人権が普遍的であらんことを目指した人間の歴史とは、外在的な基準に合わせて済むという単純さではない(権利と義務ワンセット論も外在準拠のまやかし、故に内発性が課題か
人間が人間らしく生きることが人権にも関わらず、「個人のわがまま」と脊髄反射するのが日本的精神風土。具体的問題を精査し安直思考を柔軟に退ける本書は、妄想リセットするスタートになる。 http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0291170/top.html詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「対立」は結論ではないと思いますよ。
難問は解けなければ、問いそのものの設定に問題があるのかも。
人権は難しい・・・と思わせてくれる本。 -
140315 中央図書館
ジェンダーの話ばかりが多くて、各論にわたる。