サボり上手な動物たち――海の中から新発見! (岩波科学ライブラリー)
- 岩波書店 (2013年2月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000296014
作品紹介・あらすじ
一生懸命だからこそ、サボるんだ!動物搭載型の記録装置による「バイオロギング」や「音」を使った最新の記録・分析システムで、予想も常識も覆す、驚きの新発見が続出。南極のペンギンやアザラシから、身近な日本のイルカ、ウミガメまで、謎に包まれた生きものたちの生態と"本気の姿"を明らかにする、新しい海洋動物学。
感想・レビュー・書評
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動物の行動を記録するバイオロギング。
動物たちにカメラや計測器を取り付け、その生態を隈なく調べるというもの。
そもそもは、ある場面での生物の行動に注目したところから計測が目論まれたが、結果として何もしていない、注目していなかった時の行動も知るところとなり、そこから思いがけず「サボる」動物たちの姿が浮かび上がってきたのだという。
つまるところ、生物であるが故に、やたらなエネルギーの無駄遣いはせず、利用できるもの(ほかの仲間たちや自然の摂理など)は利用して効率よく生きている、ということなのだが。
いろいろな計測結果を披露したに留まった感はあるものの、写真や図解も多く、単純に楽しんで読むことができた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
動物物というよりはその観察方法について書いたもの。内容が面白くない訳ではないが文に面白味が欠ける為、このシリーズの中での評価は下の方。このシリーズ自体は好きなんですけどね。
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読書マラソン感想カードより:
バイオロギングの本だった。キタゾウアザラシやアカシュモクザメの背中に測定機械をとりつけて、どれくらい深くまで潜っているのか調べていた。最高記録はまれで、ほとんどはあまり深くまで潜らず、スピードもゆっくりだった。アザラシは背を下にして沈んでいくらしい。
オススメ度:★★★★★
ポチ丸
所蔵情報:
品川図書館 481.7/Sa87 -
文章が読みやすくて、するする読了。サボる=効率よく生きているということで、野生動物の賢さが垣間見られた気がした。言われてみれば当たり前なのだが、常に一生懸命だと動物だって体がもたない。
サボり上手な動物たちを研究者たちが非効率きわまりなく追いかけている構図が、ちょっと面白く感じた。 -
この本は動物にセンサーを付けてその活動を調べるバイオロギングの話しの本でした。バイオロギングは特に普段の活動の様子を調べることが困難な海の中の動物の様子を調べるのに有効で、そこからいろんなことが分かった、というお話しです。
本のタイトルが「サボり上手な」とあるように、動物たちは実はいつも全力で活動しているわけではなく、ゆるゆる動いたり、休憩したりすることも多い、ということが分かった、と言うのが結論です。確かにこれ、よく考えればその通りと思いますが、でも案外気がつかない。 -
サボり上手な動物たち - 海の中から新発見! オールカラー版
内容
動物搭載型の記録装置による「バイオロギング」や「音」を使った最新の記録・分析システムで、南極のペンギンやアザラシから、日本のイルカ、ウミガメまで、謎に包まれた生きものたちの生態を明らかにする。
佐藤克文/著
1967年宮城県生まれ。東京大学大気海洋研究所准教授。 著書に「ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ」など。
森阪匡通/著
1976年大阪府生まれ。京都大学野生動物研究センター特定助教。
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海洋動物学。動物行動学。
研究のデータが多く、決して面白いわけではないが、テーマが興味深い。人間が学ぶべきことも多々ありそう。
動物のサボっているように見える行動も、生きるための合理的な理由がある。
能率とは「目的を達成しつつ、もっとも要領よく手を抜くことである」。
環世界。進化的軍拡競走。 -
動物にバイオロギングを搭載することで予想外の新発見がある。動物も適度にサボる。
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配置場所:1F電動書架C
請求記号:481.72||Sa 85
資料ID:W0172091