ドキュメント 死刑に直面する人たち――肉声から見た実態

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 62
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000611015

作品紹介・あらすじ

極めて情報の制限されたなかで絞首刑が執行される、日本の死刑制度。密行主義とよばれるその制度は、たびたび批判されながらも、実態の見えぬまま依然として強く支持されている。だが実際に「死刑」という現実に向き合わざるを得ない人たちのあいだで日々営まれていることとは何なのか。死刑囚にアンケート調査を行い、加害者と被害者の家族、刑務官、弁護人、法務官僚など、死刑に関わる人たちの声に耳を傾けることにより、死刑がはらむ問題の核心と周辺をなまなましく可視化する。

感想・レビュー・書評

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  • 死刑に関わる様々な人物へのインタビューなどを通して、現行の死刑制度について問い直そうとする。やや著者の死刑制度反対という立場ありきの構成にも読めたが、やはり死刑制度には様々な問題点があると認識した。

  • 死刑に関して 実情を取材した内容。

    死刑に関することがタブーになっている部分があるので
    処刑方法など再考する時期に来ているのではないかと考えさせられる。

  • 死刑賛成派であり、死刑反対は偽善くらいに思っていたが一気に取り込まれるように読んだ。
    もし自分が加害者であれば、刑務官であれば、被害者であれば、複雑な気持ちである。
    冤罪や改心の問題もある。

  • 2016年4月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。
    通常の配架場所: 開架図書(3階)
    請求記号: 326.41//Sa85

    【選書理由・おすすめコメント】
    普段まったく関わることも考えることもない死刑や死刑囚の話は興味深いと思ったから。
    (薬学科)

  • 死刑について思いを寄せることができた。
    絞首刑は残酷。終身刑も残酷。人が人を裁くのはむつかしい。

  • 本書は、死刑が必要だと思う人にこそ読んでほしい。無期懲役になっても10年で出所できる、などと思い込んでいる人は少なくない。まずは現実を知ることだ。執行場面を見ることは適わなくても、死刑囚や被害者、加害者の家族などの肉声に耳を傾けることはできる。

  • 死刑囚や死刑に携わる人とコンタクトをとって語られる「死刑」の姿。

    残虐の限りを尽くした犯罪者はすぐに死んでほしいと思う。それに服役している限り、彼らは税金で命をつなぐことになる。それも許せない。
    だけど、罪のない人間が死刑囚を殺すことに、大きな歪みを感じる。

    あとはよく目にする「終身刑はうまくやれば15年くらいで仮釈放になる」というのは刑法上は間違いないけれど、現実的には珍しい運用だということを知ることができた。

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著者プロフィール

共同通信社記者。1972年、北海道生まれ。明治学院大学法学部卒業後、毎日新聞社入社。長野支局、社会部を経て2002年、共同通信社入社。06年、外信部へ配属され、07年6月から1年間、韓国・延世大学に社命留学。09年3月から11年末までソウル特派員。帰国後、経済部で経済産業省を担当するなどし、16年9月から20年5月までニューデリー特派員。インド各地の都市や農村だけでなく、スリランカ、バングラデシュなどの周辺国も担当し、取材で現地をめぐってきた。同6月より外信部所属。著書に『オーディション社会 韓国』など。

「2020年 『13億人のトイレ 下から見た経済大国インド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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