富山市議はなぜ14人も辞めたのか――政務活動費の闇を追う

  • 岩波書店 (2017年5月26日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000612012

作品紹介

富山市議会で、数の力をバックに自らの議員報酬を増額するお手盛り条例案が可決された。それに疑問を感じた地方局の記者たちが、さまざまな圧力と闘いながら膨大な資料を分析、政務活動費の不正を暴き、ついに議員たちをドミノ辞職へと追い込んでいく。全国に波及した白紙領収証問題の大スクープはいかにして生まれたのか。迫真のルポ。一連の報道で2017年度日本記者クラブ賞特別賞受賞!

富山市議はなぜ14人も辞めたのか――政務活動費の闇を追うの感想・レビュー・書評

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  • 嘆かわしいというか、腹立たしいというか、見下げ果てたというか、税金を掠め取るなんて前近代の日本なら間違いなく死罪だろうし、今話題沸騰の某北とかその隣の大国とかでも死刑になるのではないだろうか。
    挙げ句の果てに、役人も隠ぺいに手を貸していたんだから連座同罪でもおかしくないよね?
    刑にも服さずのうのうとしているなんて、いつから日本人(というか富山市民だけど)は、こんなに優しく、いや情けなく愚かになったんでしょうね。
    富山市民の一人として、自分自身もいかんともしがたく情けなく思います。

    まあ端的にいって、権力をカサにきたコソ泥だよね!あまつさえ、議員報酬が全国一になるための値上げ要求を出して議会を通過させているんだから、盗人猛々しいとはまさにこのことだね。
    金を返せば済むのなら警察はいらないちゅーの!!ていうか警察は一体何をやってるんだ!?

    加えて、おそらく富山市の自民党議員会と民進党議員会らの組織ぐるみの犯罪だったにもかかわらず(だって幹部らがこぞって関与してたもんね)、この4月の選挙で数は減ったもののまだ自民党議員が議会過半数を占めるなんてどゆこと?
    本書にもある通り、古代ギリシャ人いわく「政治に無関心な国民は、愚かな政治家に支配される」のをいまだ地でいっています・・・。

    本書は富山のローカルテレビ局・チューリップテレビのいわば自賛本なのですが、まあよくぞ取材して明るみに出してくれたと思うのと同時に、「あとがき」で自省している通り、議員報酬引き上げ問題が無かったら政務活動費横領問題まで気がつけたかという課題もあり、これに安堵せずに今後とも引き続き政治へのチェック機能を果たしていってもらいたいものだと思います。期待を込めて星5点!

  • 富山の地方テレビ局が、富山市議会の政務活動費に関する不正を暴いていく一部始終を纏めた本。

    強く感じたのは、不正を見付けるのには何かとても難しいことをしなければいけない訳ではないということ。
    本著では、チューリップテレビの取材班が情報公開制度を使って議員の膨大な伝票を洗っていき、そこから不正の種を見つけていきます。つまり、ちょー大変だけど、不正を見付けるのは意外に誰でも(マスコミでなくても)できてしまうこと。
    そこから裏取りをしっかりして、議員本人にも直撃して…というくだりはマスコミでないとやりづらいかなと思いますが、不正の種までは見付けられるあたり、情報公開制度はしっかり整備されてきたということでしょう。
    かつ、それを使って不正を見付けて糾弾する人がいることで、何とか規律めいたものが維持されている面はあるのだと思います。

    この事例がチューリップテレビしかできない特別なものになってしまうのではなく、市民サイドがやるべきコトの一つとして認知されていくことを願います。

  • 富山市議のドミノ辞職
    きっかけはある記者の小さな疑問から始まった。

  • へぼい話ばかりで頭が痛くなる。こんなのが実は氷山の一角なんだろうな。

  • 巻末の解説は不要かと。
    謝罪+返金+辞職:逮捕すらされない議員たち。
    幹部の謝罪:公民館が政治活動には使えないにもかかわらず、市政報告とセットの領収書を通すという、どう考えてもグルな市の職員。
    最高裁の統治行為論のオマージュな市長。
    富山や自民・民進党が悪の巣窟とは思っていません。こんな稚拙なだましが通用してしまうのはどうかと思いましたけど。
    チューリップテレビもスクープ抜き合いからは身を引いて、どうすれば再発を防げるか、性悪説に立った制度を整備すべきかの提言へ移行して欲しかったのです。

  • チューリップテレビという富山のローカル局の取材記録。
    富山にはご縁が無く、政活費の不正使用のニュースも新聞で横目に見る程度だったが、本書で、地元メディアの調査報道で地方議会のデタラメが暴かれたのだと知った。
    昨今、大手マスコミの堕落ぶりが腹立たしく、無力感を感じることも多いが、報道機関らしい活動に溜飲が下がる思いがした。

  • 面白い!富山市の市議会議員の報酬を10万円引き上げる事に端を発した議員の不正、隠蔽工作を追った富山市のテレビ局のドキュメンタリー。
    事件を追ったスタッフが書いているため、非常に臨場感があり、正義感に突き動かされて、読者を引き込ませる。

    しかし富山市議会議員というのもなんともお粗末。数億、数十億の額であれば一族の名に恥じる行為にも手を染めてしまう事もあるだろう、恐らく誰でもそうだ。しかしここで暴かれているのは数十万円、多くても数百万円、たったこれだけの額の為に後ろ指さされる行為をしてしまうとはなんとも情けない。そもそもの発端の議員報酬引き上げもたった10万円の為に疑惑を持たれてしまうとは、、、。恐らく田舎の老人がやっている事で、昔からこうなってる。とその考え方でやったのだろう。昔はなあなあで良かったのかもしれないが現代では通用しないだろう。

  • 富山チューリップテレビの取材記録。富山市議の政務活動費などの不正取得を情報公開制度を使って明らかにして行く経緯が淡々と語られている。謎を解明していくプロセスが興味深く、一気に読んでしまった。地域のローカルメディアの重要性を改めて認識させてくれた一冊。全体読み終わった後、冒頭の主な登場人物を読むと面白い。

  • 愉快、痛快、欣快な本だ。
    富山県というローカルな地方でおきた政治の出来事だが、TBSの「報道特集」でも取り上げられ全国ニュースにもなっていた。小生も、「地方のジャーナリストもやるなぁ」と思っていたが、本書でその詳細な動きを知りただ感嘆の一言である。
    本書では、ジャーナリズムとはかくあるべしという迫真のドキュメントが繰り広げられる。どんなドラマよりもはるかにドラマチックだ。夢中で一気に読み終えた。実に痛快な書である、面白かった。
    しかしそれにしても富山市の地方政治は酷すぎる。水も流れないと腐るものだが地方政治もそうなのだろうか。富山市の改革が進むことを祈りたい。

    2017年7月読了。

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