ニッポン放浪記――ジョン・ネイスン回想録

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000612340

作品紹介・あらすじ

戦後文壇がその絶頂期を迎えていた1960年代、ニッポン。著者は最も才能ある作家たちと親しく交わり、三島由紀夫、大江健三郎ら時代の寵児たちが生み出す作品を翻訳、世界にその作品世界を知らしめていく。翻訳家、映画監督としてマルチな才能を武器に日本中を駆け回ったジョン・ネイスンよる日本文学の黄金時代、そして日米文化交渉の生きた証言録。

感想・レビュー・書評

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  • 自作は三島の最新作午後の曳航に決まった。いかにも三島らしい作品だった。水平線の向こうで自らを待ち受ける特別な運命を求め、航海に人生をかけていた男が美しい未亡人に恋をして、つまらない陸上生活者になってしまうという内容だ
    私たちの人生に最も深い豊かさを与えてくれたのは大江健三郎と安部工房だった
    岩間は森田の日程で、一時期ソニーの社長を務めた。岩間の死後、後を継いで社長一緒にしたのは大賀だ

  • 盛り沢山。生粋のユダヤ人がハーバードに入学して一年目、「自分のオリジナリティはなんなの?」と模索中、ふと留学生の落書きで日本語を目にする。こんな奇っ怪な文字にこんな意味が詰め込まれているなんて。その些細な出来事により、日本文化に怒濤のようにのめり込んでいった回想。教授、翻訳、映像作家。好奇心旺盛、エネルギッシュ。しかし所々に自分の言い分ー優先させ、周りは二の次、という繊細さには欠けてる人であり、賛否別れる人物と言えよう。日本文化を形成している日本人の心の真髄まではふれられなかったよう。気付いてもいないが。

  • 三島由紀夫の評伝や大江健三郎の翻訳で知られるジョンネイスンの自伝。

     この人の別の著書「日本崩壊」Japan Boundもよんでいたので、興味深く読めた。安部公房、勝新太郎、勅使河原宏などとの交流も面白い。日本語の読解力があり、評伝、翻訳、映画制作、CM制作なんでもこなす、賢く、器用で、エネルギッシュである。
     結婚も2回、仕事もいろいろ、求められれば男芸者のようにほいほい出て行く。まるでジェットコースターのような人生。いやー、参った。
     この本の最後の方にでてくる講演会でサインをもらった時のことを思いだした。

  • とんでもなく素晴らしくて、ハチャメチャな失敗の連続といってもいいような人生の物語。三島由紀夫や大江健三郎、安部公房と友達付き合いをし、黒澤明にも面識があって、ハリウッドの世界で映画を作り、いくつかの大学で教授として日本の現代文学も教えた人。それだけでも、十分期待が持てるはず。でも、それ以上。

  • 【新着図書ピックアップ!】
    ライシャワーに日本語を学び、1960年代日本文学の作家たちと親しく交流し、三島由紀夫、大江健三郎の作品を翻訳して世界へ知らしめたネイスン。翻訳だけでなく、映画監督であり、エミー賞受賞者。かつては舞台に立ち、水谷八重子(初代)と共演したことも… そんなマルチな著者の回想録です。
    ちなみにICUでも教鞭を取ったことがあり、帰国するネイスンにM氏はサインをもらったそうな!!!

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