- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000613057
作品紹介・あらすじ
いまやグローバル大国となった中国は世界の注目を集めており、その外交への関心も高まっている。1949年の建国から約70年。新興国から大国へと変貌した中国外交の軌跡をたどるとともに、中国にとって重要な位置を占める対米関係、対ロシア関係、対日関係を柱に外交の展開を詳細に解説する。巻末に、学習に役立つ文献ガイド、略年表を収録。
感想・レビュー・書評
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中国外交についてよくまとまった本。中国外交の中国的な6つの特徴、70年間の時期区分とその間のキーワード、対外政策決定メカニズム、対外軍事行動、それから日本、アメリカ、ロシアとの外交史を概観する。安倍晋三批判はあまり本筋と関係ない気がしたが書かずにはいられなかったのだろう。
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東2法経図・6F開架:319.2A/Mo45g//K
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通史、対外政策決定、対外軍事行動、対日、対露、対米外交の6章からなる。個別事例のミクロな分析や通史のようなマクロの視点、更には安倍政権批判までが入り混じり、著者の書きたいことを詰め込んだという感じだ。
前半部分では、21世紀の中国外交に関し、学界では閻学通的リアリスト論が横行、政策では「強勢外交」とアクターの多様化、だと指摘している。ただし著者は、中国は外交や政治の延長としての軍事行動は辞さないとしつつも、「軍事力の軍事的使用」には抑制的だと述べてもいる。もっとも、習近平がこれを継承す
るかは定かではない、との留保つきで。
後半部分では、日中が「情・人」の関係であるのに比べ、対露・対米外交は制度化が進み安定していると評価しているようだ。中国シンクタンク・学界でも「対米関係の安定化を求め、米国のヘゲモンに根本的な異議申し立てをしないグループ」が主流だと著者は考えているとのこと。