- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000614276
作品紹介・あらすじ
「総理、芦部信喜さんという憲法学者、ご存じですか」「私は存じ上げておりません」(国会答弁より)。戦後憲法学のスタンダードをつくったのは、どんな人物だったのか。学徒出陣の戦争体験。実際の裁判にも関与し、後半生を懸け「憲法訴訟論」を開拓するまで。独自入手した資料を交え、その足跡を再現する。識者一三名のインタビューも収録。
感想・レビュー・書評
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良書。
こういう人がいたということがしみじみありがたいし、でもこういう人は亡くなっていきつつあるという現実も思い出すし、こういう本が出版されて嬉しいし、岩波書店は潰れないでいてほしい。
芦部先生の基本書にもう一度向き合おうかな...。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私が司法試験の勉強をしていたときは、佐藤幸治「憲法」、そして、まだ教科書も出ていなかったけど(マスメディア法とアメリカ憲法入門はあった)、松井茂記先生のお考えにどっぷりハマっていて、芦部説はあまり触れてなかった。通説だというので、芦部憲法も読んだけど、岩波の芦部憲法(確か、平成5年ころ?)の初版が出たときは司法試験に合格する年だったから、私が読んだのは放送大学のテキストだったはず。
私は松井茂記先生(当時、留学帰りで助教授だった)の講義に出て、指定教科書が佐藤幸治憲法だったのに、それとも違うプロセス憲法観を黒板いっぱい使ってエネルギッシュに展開する姿にガビーンとなり、本気で法律を学び、また、司法試験を目指すことにしたのだった。
だから、芦部放送大学テキストは物足りなく感じ、その後も、論文や、岩波憲法も読んでなかった。
しかし、それから四半世紀以上が経って、芦部先生の評伝としての本書を読んで、芦部憲法に正面から取り組んでなかったことを後悔した。なので、今からでも遅くないから、読んでみよう(なお、佐藤幸治先生の日本国憲法の第2版も買ったまま読んでないので、読んでみよう)。
平和の希求、人間の尊厳、人権に対する芦部先生のまなざしに触れる思いのする評伝でした。広く読まれるべきですね。 -
著者による信濃毎日新聞(信毎)連載を単行本にしたもの。
個人の尊厳を最高価値として憲法は読まれるべきであるという芦部憲法学のエッセンスが内容。 -
東2法経図・6F開架:289.1A/A92w//K
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芦部氏の考え方の根底にあるものを理解できるのではないかと思う。信濃毎日新聞の連載をまとめた本 見落とした回もあったのでじっくり読みたかった。